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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.5(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は5月24日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.5」を公表した。

  1. 名称類似薬の取り違え:ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「タナベ」[調剤]
    • 名称が類似する薬剤の取り違えや交付を防ぐ対策として、薬剤名を一文字ずつ指で差し、声を出して確認すること、鑑査時や交付時に薬剤情報提供書などに印刷されている識別コードや薬剤の画像を調製された薬剤と照合することは有用である。
    • 薬剤師一人のみで調剤業務に従事する場合、焦りや思い込みなどにより、ヒューマンエラーが起きることがある。薬剤師による薬剤鑑査を補うために、調剤監査支援システムを導入するなどの対策が望まれる。
    • 名称が類似する薬剤の組み合わせには、「べポタスチンベシル酸塩とベタヒスチンメシル酸塩」の他にも「クロチアゼパムとクロナゼパム」「ロフラゼプ酸エチルとロラゼパム」「硝酸イソソルビドと一硝酸イソソルビド」などがあり、本事業にはこれらの薬剤の取り違えに関する事例が報告されている。
  2. 外観が類似する分包品の取り違え:レボセチリジン塩酸塩シロップ用0.5%[調剤]
    • 本事例は、分包量が異なる散剤の分包品を誤って取り揃え、患児に2倍量の薬剤を交付した事例である。散剤の分包品を調製・鑑査する際は、薬剤名のみならず分包量についても確認する必要がある。
    • 薬剤を新規に採用する際は、朝礼や連絡ノートなどを活用し、薬局のスタッフに薬剤名、規格・剤形、注意すべき事項などを周知する必要がある。薬剤の取り違えや規格間違いが起きる可能性がある場合は、調剤棚に注意を促す掲示を行うなどの対策を実施しておくことが重要である。
    • 本事例で、取り違えが起きた2つの分包品(0.25g/包と0.5g/包)は、裏面が共通デザインとなっている。同成分で分包量が異なる薬剤の外観は、取り違えが起きないように配慮されたデザインであることが望まれる
  3. 手術前の服薬休止:スーグラ錠25mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 本事例は、手術を受ける予定の患者にSGLT2阻害薬が処方された際、薬剤師が術前の休薬の有無について処方医に確認を行った事例である。
    • 手術の前後に服薬を休止する可能性がある薬剤をリストアップし、それらの薬剤が処方された際の対応について業務手順を定め、薬局内で共有しておく必要がある。
    • 薬剤師は、手術の前後に服薬を休止する可能性がある薬剤が処方されている患者から手術を受ける予定を聴取した際は、服薬休止の判断が処方医・医療機関や手術内容により異なることを理解したうえで、処方医へ服用を休止する必要がないか、を確認することが重要である。
    • SGLT2阻害薬の添付文書には手術前後の休薬期間について記載はないが、日本糖尿病学会、日本腎臓学会、日本循環器学会・日本心不全学会がそれぞれSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationを公表しており、推奨される手術前後の休薬期間を具体的に示している。

詳細は以下の資料をご確認ください。
※時間の経過とともに、出典元の資料が閲覧不可能になった場合は、リンクで飛べなくなります。ご了承ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_05.pdf

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