ニュースの要点
厚生労働省は9月25日、エーザイとバイオジェンが共同開発した「レケンビ点滴静注200mg」「同500mg」(一般名:レカネマブ)を、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効能・効果で承認した。
エーザイ公表資料より(抜粋)
「レケンビ」は、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル*)および不溶性凝集体に対するヒト化 IgG1 モノクローナル抗体。「レケンビ」は、アルツハイマー病(AD)を惹起させる因子の一つであり最も神経毒性の高い Aβプロトフィブリルに選択的に結合して脳内から除去することで、AD の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された、世界で初めてかつ唯一の治療薬となる。日本においては、2023年1月に製造販売承認申請を行うとともに優先審査に指定されていた。今回の承認は、2023年7月の米国フル承認に次いで2カ国目となる。
今回の承認は、エーザイが実施した大規模グローバル臨床第Ⅲ相試験である Clarity AD 試験のデータに基づくものであり、本試験において「レケンビ」は主要評価項目ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成した。主要評価項目は、全般臨床症状の評価指標である CDR-SBであり、「レケンビ」は CDR-SB における18カ月時点の臨床症状の悪化をプラセボと比較して27%抑制した。
また、副次評価項目の一つである、衣服の着脱、食事、地域活動への参加など当事者が自立して生活する能力を介護者が評価する AD Cooperative Study-Activities of Daily Living Scale for Mild Cognitive Impairmentにおいては、プラセボと比較して37%の統計学的に有意なベネフィットが認められた。