ニュースの要点
厚生労働省は3月10日、「第8回医療機器・体外診断薬部会」を開催し、等に関するとりまとめについて議論した。
目次
結論
「低侵襲性の穿刺血など血液検体を用いた検査薬」の一般用検査薬への転用について、現時点では、時期尚早であると言わざるを得ないと判断した。
議論の経緯
- 穿刺行為に欠かせない医療機器たる穿刺用器具に係る課題の整理については、「単回使用自動ランセット」など、近年の技術進歩を踏まえると、
- 針の再使用は不可とする
- 穿刺時以外に針が露出しない
- 使用後は本体ごと廃棄することが担保される前提であれば、構造的にも使用者への安全性や非使用者への感染性の懸念はある程度は軽減することが可能であると考えられる。
- 前述の穿刺用器具や穿刺後の止血に用いたガーゼ・絆創膏なども含めた廃棄物の感染性に係る課題の整理については、各自治体によって廃棄方法が異なっているという実態があるものの、糖尿病患者が在宅でインスリン自己注射することを想定したものとして、『廃棄物適正処理啓発パンフレット(日本糖尿病協会)』や『在宅医療廃棄物の取扱いガイド(日本医師会)』など、参考となる情報が示されているため、廃棄方法に関するルールをある程度は統一化・共通化することが可能であると考えられる。
- しかしながら、これら方向性が見えつつある課題も、基本的には、適切な医療従事者から適正な指導・教育・訓練を十分に受けた患者が自ら自宅で穿刺を行った上で検査をすることを前提としたものであり、必ずしも一般用検査薬について無条件に適用されるものではない
- 加えて、本部会における幾度の検討を経てもなお、「残された課題」に示すとおり、その方向性を見いだすまでには至らなかった課題が残されていることから、本部会としては、「低侵襲性の穿刺血など血液検体を用いた検査薬」の一般用検査薬への転用について、現時点では、時期尚早であると言わざるを得ないと判断した。
医師の指導下で使用に関する知識・技術を教育できないなど「残された課題」の検証と整理が必要とした。
残された課題
- 対象となる使用者の範囲
- 想定される検査項目を自己血糖検査としたとき、使用者の範囲については、本部会において、①「糖尿病予備群の人(発症予防の観点)」、②「検査を受けたことがなく自ら様態を把握できていない人(早期発見の観点)」及び③「糖尿病治療を行っているが自宅でも検査を行いたい人(自己管理の観点)」をターゲットに挙げて議論をしてきた。
- 医療の管理下にある人が前提と考えられる③のターゲットを除いて、①及び②のターゲットは、自己血糖検査を行う意義、それを扱う手技などの観点から、前提として、使用者が持つべき基本となる知識・技術の習熟度などの条件が異なっており、現状では、これらを同じ水準で議論することは適切ではないと考えられる。
- また、これら①②③のターゲットに対して、基本となる知識・技術を教 育・訓練していただくための各種コンテンツについても、現時点では、 あくまで医師の指導の下で行われることが想定されているものであり、基本的には、医師の処方箋なしに薬剤師等から提供された情報により使用者 が選択して使用するものとしての一般用検査薬においても無条件で適用されるものではない。
- したがって、本通知に基づいて、医療用検査薬から一般用検査薬への転用を検討することが前提となっていることを踏まえたとき、医療用検査薬では実現できていたことが、一般用検査薬では担保されない余地・懸念があることなどを含めて、十分に課題が抽出・整理される必要があり、対象者及び検査目的が異なることを踏まえ、それらの「ギャップ」を可能な限り埋めるための提案・工夫が必要である。
最後に
仮に、前述の「残された課題」に挙げるものがすべて解消できたとしても、直ちに「低侵襲性の穿刺血など血液検体を用いた検査薬」の一般用検査薬への転用が実現することを約束するものではなく、未来の時点での新たな視点からの課題の整理が必要となる。