ニュースの要点
財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が4月16日に、「こども・高齢化」を議題として開催された。
医療:我が国の医療保険制度の特徴と課題
我が国の医療保険制度の特徴
- 過剰な医療提供を招きやすい構造
- 今後加速する「支え手(現役世代)」減少
- イノベーション等による医療の高度化・高額化の進展
質の高い医療を提供しつつ国民皆保険の持続性を確保のための医療制度改革の視点
- 質の高い医療の効率的な提供
- 保険給付範囲の在り方の見直し
- 高齢化・人口減少下での負担の公平化
保険給付範囲の在り方の見直し(総括)
- イノベーションの推進と国民皆保険の持続性確保を両立する観点から、自助・公助を適切に組み合わせていく必要
- 軽微な不調は自らが対応するセルフメディケーションを推進することや費用対効果の本格的適用により薬事承認され保険収載されない医薬品の範囲が拡大すること等と整合的な制度改正を検討する必要性。
保険給付範囲の在り方の見直しの考え方
- 我が国の外来薬剤費や国民1人当たりの外来受診回数は諸外国と比べて高い水準にあり、軽微な不調は自らが対応するセルフメディケーションを推進する余地がある。
- 医療の進歩に伴い高額な医薬品の収載が増加傾向にあり、今後も、保険財政への影響が大きい医薬品が出てくることも想定される。
- こうした状況を踏まえ、イノベーションの推進や質の高い医薬品へのアクセスの確保、国民皆保険の持続性確保を両立する観点から保険収載に際しての費用対効果評価の本格適用に加えて、自助・公助の適切な組み合わせの観点から、保険給付範囲の在り方を再検討する必要がある。
セルフメディケーションの推進(自助の観点)
軽微な不調は自ら直すセルフメディケーションは、国民の利便性向上に資するほか、診療や調剤に係る医療費を含めた合計の自己負担額でみるとOTC薬を購入した方が安くなるケースもあることを踏まえ、推進していく必要がある。
セルフメディケーション推進と整合的な保険給付範囲の見直しの方向性
諸外国の動向を見ると。軽度な症状に対する医薬品の処方制限をするといった対応がとられているほか、医薬品の有用性が低いものは自己負担を増やす、薬剤費の一定額まで自己負担とするといった対応がとられている。