ニュースの要点
厚生労働省は8月7日に、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での発生状況について」とする事務連絡を発出した。
これまでは西日本を中心に報告されていたが、今年初めて北海道での症例が確認された。このことから、今後は西日本に限らず他の地域でも患者が確認される可能性がある。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は重症化すると死亡することもあり、発症後速やかに診断する必要がある。重症化した場合の致死率は10〜30%と言われている非常に危険な感染症である。
発症経路
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。
また、ウイルスに感染したペットの犬や猫に咬まれたり、血液などの体液に直接触れたりすることで感染することも報告されています。
マダニに刺されないように注意しましょう
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。
草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。
虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
マダニに刺された場合
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、刺されたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。


