ニュースの要点
今後の仕事と育児の両立支援施策の強化に関しては、「こども未来戦略(令和5年12月22日閣議決定)」において、男女が共に働き、共に子育てをする「共働き・共育て」の推進が盛り込まれてる。特に男性の育児休業取得率に関しては、政府目標を令和7年までに50%へ引き上げ、令和12年までに85%とすることとされたことから、これまで取り組まれてきた男性の育児休業の取得促進を更に強力に進めていくことが必要となっている。
男性が育児休業を取得しない理由には、職場が育児休業を取得しづらい雰囲気であることなどが挙げられている一方で、企業が両立支援策を進めていく上での課題として、代替要員の確保の難しさや、職場での不公平感への対応が挙げられており、両立支援等助成金などの既存の支援策の周知と併せて、育児休業を取得しやすい職場環境作りに向けた事業主の意識改革も重要となっている。
今般、事業主の仕事と育児の両立支援に関する意識改革に資する周知用資料を作成したので、職場環境の改善に向けた周知啓発に活用するように依頼している。
長期的な人口の推移と人口減少が我が国に及ぼす影響~国の存続にかかわる問題~
我が国の人口の推移を長期でみると、これまではほぼ一貫して増加。しかしながら、ここ100年でこれまで経験したことない急激なペースで人口が減少。人口減少社会は、かならず超高齢社会を伴うとともに、経済等に極めて深刻な影響を及ぼすなど、国の存続そのものにかかわる深刻な問題である。
人口減少の特徴~まさに時間との闘い~
当面は、15~49歳の再生産年齢人口が減少し続けるため、仮に出生率が回復しても、すぐには人口減少は止まらない。しかし、出生率の回復が遅れれば遅れるほど、定常人口は減少することとなり、早急な対策が必要。
出産・育児は若い世代にとってリスクになっている!
- 少子化の要因の一つは、若い世代がこどもを持つことを「経済的リスク」(収入や生活水準が低下する恐れ)と考えるとともに、自分たちの思い描く人生を送れないという不安を抱いていることが挙げられる。
- こうした中で、仕事か、出産育児かの二者択一を迫られており、こうした状況を変えることが重要。
2030年代に入るまでがラストチャンスであり、企業のトップダウンによる取組に期待
- 人口問題は、人口減少に適応する「適応戦略」と、人口減少に歯止めをかける「積極戦略」の双方が重要。
- 20代、30代の結婚・就労・出産・子育て環境が出生率に大きな影響を及ぼしており、人口減少の歯止めには、企業の取組が不可欠。
- 2030年代に入ると、若年人口は現在の倍のスピードで急減。まさに2030年代に入るまでが、少子化傾向を反転できるかのラストチャンス。企業のトップダウンによる決断と実行が期待される。