ニュースの要点
日本保険薬局協会(NPhA)は2月16日、医療用麻薬の在庫・廃棄および薬局間譲渡の実態を把握するため、全国5,019薬局を対象に調査を実施し公表した。
薬局における、医療用麻薬の不動在庫や廃棄の実態、麻薬小売業者間譲渡許可の届出状況や課題等が明らかになり、在宅医療や無菌製剤対応など機能が高い薬局ほど、在庫・廃棄リスクが高まる傾向も確認された。
2040年に向けて、在宅医療・緩和ケア・がん薬物治療連携の拡大が見込まれる中、医療用麻薬の安定供給と適正管理の両立は極めて重要な課題としている。
調査結果Summary:2026年1月
薬局における麻薬在庫の調査結果から、麻薬取扱薬局のうち83.9%が不動在庫※を有しており、平均5.4品目、金額にして68,176円の不動在庫を抱えていることが分かった。また、不動在庫金額が10万円を超える薬局は20.3%存在していた。
未開封品の不動在庫を有する薬局は56.5%で平均2.3品目、金額にして36,338円の不動在庫を抱えている。さらに、薬局に在庫している品目数によらず、約半数の在庫品目が不動在庫となっていることが分かった。
麻薬在庫と薬局の機能には関連性があり、在宅訪問指導回数の多さ、特定薬剤管理指導加算2(外来でのがん患者への対応)の届出、無菌製剤処理加算の届出をしている薬局の方が、麻薬の在庫品目が多く、麻薬加算の算定実績が高い傾向があった。
今後、在宅、無菌、がん薬物治療連携等のニーズがより一層見込まれる中で、薬局における麻薬管理は大きな課題であることが示唆された。医薬品流通に係る関係者や、厚生労働省等と実態を共有し課題解決に向けた活動に努めていく。

調査結果Summary:2026年2月
麻薬小売業者免許を持つ薬局の1年間の麻薬の廃棄金額の平均は1店舗当たり23,057円であるが、回答があった4,903薬局の廃棄金額の合計は年間で約6,800万円、全国の薬局数に換算すると年間で約8億円の医療用麻薬が廃棄され、社会的損失に繋がっている可能性がある。
また、廃棄金額が年間10万円を超える薬局は全体の8.6%であった。
薬局間譲渡許可の届出率は41.6%で、そのうち譲渡実績のある薬局は46.0%であった。制度に関して、薬局の91.7%が「譲渡できる薬局が事前に届出した薬局間にのみ限定されていること」を課題と認識し、さらに34.9%が「申請書類の作成及び申請が手間」と回答、29.9%が「卸から譲り受けて90日以上経過してから」という条件に課題を感じていた。また、都道府県独自の許可基準による距離・時間・事業者数の制限について、53.1%の薬局が課題であることが明らかになった。
今後、在宅、無菌、がん薬物治療連携等のニーズがより一層見込まれる中で、患者への安定供給と医療資源の適正活用の観点から、麻薬であることの一定の規制は守りつつ、より柔軟な薬局間譲渡の制度改正の必要性が示唆された。医薬品流通に係る関係者や、厚生労働省等と実態を共有し課題解決に向けた活動に努めていく。



