ニュースの要点
厚生労働省は1月12日、「医薬品の販売制度に関する検討会のとりまとめ」 を公表した。
背景等
新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインを通じた社会活動が増加するとともに、セルフケア・セルフメディケーションの推進が図られるなど国民と医薬品を取り巻く状況は変化している。また、一般用医薬品の濫用等の安全性確保に関する課題が新たに生じている状況を踏まえ、令和5年2月から検討会を開催している。計11回の議論を経て、令和6年1月にとりまとめを公表した。今後、本とりまとめに記載された具体的な方策を踏まえ、検討を進めていく。
具体的な方策
基本的な考え方
- 安全性が確保され実効性が高く、分かりやすい制度への見直し
- 医薬品のアクセス向上等のためのデジタル技術の活用
見直し:抜粋
- 処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売
- 処方箋に基づく販売を基本とし、リスクの低い医療用医薬品については、法令上、例外的に「やむを得ない場合」での販売を認める。
- 「やむを得ない場合」を明確化し、薬局での販売は最小限度の数量とする等の要件を設ける。
- 濫用等のおそれのある医薬品の販売
- 原則として小容量1個の販売とし、20歳未満の者に対しては複数個・大容量の製品は販売しない。
- 販売時の購入者の状況確認・情報提供を義務とする。原則として、購入者の状況の確認及び情報提供の方法は対面又はオンラインとする。
- 20歳未満の者による購入や、複数・大容量製品の購入等の必要な場合は、氏名・年齢等を確認・記録し、記録を参照した上で販売する。
- 要指導医薬品
- 薬剤師の判断に基づき、オンライン服薬指導により必要な情報提供等を行った上で、販売することを可能とする。
- 医薬品の特性に応じ、必要な場合に一般用医薬品に移行しないことを可能とする。
- 一般用医薬品の販売区分及び販売方法
- 販売区分について、「薬剤師のみが販売できる一般用医薬品」と「薬剤師又は登録販売者が販売できる一般用医薬品」へと見直す。
- 人体に対する作用が緩和なものは、医薬部外品への移行を検討する。
- 専門家(薬剤師・登録販売者)の関与のあり方に加え、情報提供については関与の際に必要に応じて実施することを明確化する。
- デジタル技術を活用した医薬品販売業のあり方
- 有資格者が常駐しない店舗において、当該店舗に紐付いた薬局等(管理店舗)の有資格者が、デジタル技術を活用して遠隔管理や販売対応を行うことにより、一定の要件の下、医薬品の受渡しを可能とする新たな業態を設ける。