ニュースの要点
内閣府は6月11日に「孤独・孤立対策推進本部」を開催し、「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」を決定した。
目次
薬局・薬剤師関連
学校薬剤師・地区薬剤師会を活用したOTC乱用防止対策事業【厚生労働省】
施策の概要
OTC医薬品の乱用の背景の一つと考えられる孤独・孤立を抱える方の支援にもつながるという認識の下、家族等による乱用者への支援方策等の周知や、OTC医薬品の乱用防止に係る啓発活動を行う。
現状
一般用医薬品等の過量服薬(いわゆるオーバードーズ)については、「濫用等のおそれのある医薬品」を指定し、指定された医薬品については、購入しようとする者が若年者の場合に氏名や年齢を確認する等の取扱いを義務付けている。
課題
麻薬・危険ドラッグなどの禁止薬物とは異なり、OTC医薬品は薬局や薬店で購入できるものであることを踏まえ、販売規制による乱用防止対策や医薬品の適正使用の啓発に加えて、乱用のリスクの周知や、相談支援施設への橋渡し、販売や学校現場における相談対応方法の周知など総合的な乱用防止対策を行う必要がある。
今後の取組方針
学校薬剤師等の協力を得て、青少年に対する乱用防止の啓発活動の取組を進める。
具体的には、若年者向けOTC医薬品乱用防止啓発用資材やOTC医薬品販売者及び学校薬剤師向けの対応マニュアルの作成・提供等を行う。その他、若年者やその家族への啓発活動を通じたOTC医薬品乱用の危険性、家族等による乱用者への支援方策等の周知やOTC医薬品販売者及び学校薬剤師がOTC医薬品の乱用防止に係る啓発活動を行う際に参考となるセミナーを実施する。
重点計画の意義:
- 本年4月1日に施行された孤独・孤立対策推進法に基づき、孤独・孤立対策推進本部において決定。
- 孤独・孤立対策に関する施策についての基本的な方針、孤独・孤立対策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策等を定め、重点計画に定める施策については、原則として、具体的な目標及びその達成の期間を定めることとされている。「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」は、孤独・孤立対策推進法に基づき定めるもの。
現状認識等:
- コロナ禍後も、今後我が国では単身世帯や単身高齢世帯の増加が見込まれ、問題の深刻化が懸念。社会問題の背景に孤独・孤立問題の存在が指摘される。
- 関係府省庁、地方公共団体及びNPO等が有機的に連携し、社会のあらゆる分野に孤独・孤立対策の視点を入れることを徹底。
- 推進法に基づき、総理・担当大臣のリーダーシップの下、推進本部を中心に総合的な取組を強化・深化していく
基本理念(推進法第2条):
- 孤独・孤立双方への社会全体での対応
- 当事者等の立場に立った施策の推進
- 社会との関わり及び人と人との「つながり」を実感できるための施策の推進
基本理念を踏まえた対策の基本方針:
- 孤独・孤立に至っても支援を求める声を上げやすい社会とする
- 状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげる
- 見守り・交流の場や居場所を確保し、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりを行う
特に重点を置いて取り組むべき事項:
- 地方公共団体及びNPO等への支援
- 孤独・孤立状態の予防を目指した取組強化
- 重点計画に定める施策のエビデンスに基づく評価・検証を通じた取組の推進