ニュースの要点
今年は感染性胃腸炎が非常に多くなっている。感染性胃腸炎は毎年秋から冬にかけて流行するが、一年を通して発生する可能性があるため、日頃から予防を心がけたい。ウイルスが違っていても予防方法は変わらない。感染予防のために、次の3つのポイントに注意しよう！
- 【手洗い】 正しい手洗いを行い、手の汚れをしっかりと洗い流そう！
- 【食中毒の予防】 食べ物を調理する際に、熱湯消毒や洗浄、加熱をしっかりと行おう！
- 【適切なおう吐物、便の処理】 症状のある人のおう吐物や便を処理する際は要注意！塩素系消毒薬による正しい処理が重要。
目次
感染性胃腸炎の主な原因ウイルス
ノロウイルス
- 主な症状は、下痢、おう吐、吐き気、腹痛ですが、発熱する場合もあり、症状がひどい場合には、脱水症状を起こすことがある。
- 潜伏期間は、平均1日から2日。
- 通常は軽症で、症状が1日から3日続く。
- すべての年齢で発症するが、特に乳幼児や高齢者、もともと病気がある方など抵抗力の弱い方が発病すると重症化することがある。
ロタウイルス
- 主な症状は、下痢、おう吐、発熱で、米のとぎ汁のような白色の水様の下痢便が特徴です。乳幼児は激しい症状が出ることが多く、脱水症状に気をつける必要がある。
- 潜伏期間は、約2日から4日。
- 下痢やおう吐は、3日から8日程度で回復し、発熱は通常半日から1日で治る。
- 生後6カ月から2歳を中心に乳幼児で多く発症する。成人では、感染しても発病しない不顕性感染が多いといわれているが、発病する場合もある。
- 3月から5月に発生が多いとされている。
サポウイルス
- 主な症状は、下痢、おう吐、吐き気、発熱。
- 潜伏期間は、平均1日から4日。
- 乳幼児に多く発症する傾向が、近年では成人や高齢者の食中毒事例や集団感染事例も報告されている。
- 一年を通して発生があるが、10月から4月に発生が多いとされている。
感染経路
- 人から人への感染
感染者のおう吐物や便を触った手や、手で触れたものを介して口に入り感染する。また、おう吐物の飛沫から感染する場合もある。人によっては、感染しても発病しない（不顕性感染と呼びます）がウイルスを排出する場合があり、知らない間に周りの人が感染してしまっていることもある。 - 汚染された食品や水からの感染
食品取扱者がノロウイルスに感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合、汚染されていた二枚貝を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合、ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合に感染する。
感染予防のポイント
手洗い
- 日ごろから、調理前後、食事前、トイレの後などに、石けん（液体石けんが推奨されます）を使って、流水で手をしっかりと洗おう。
- 手洗い後のタオルは共用せず、個人用タオルかペーパータオルを使用しよう。
食中毒の予防
- カキなどの二枚貝は、中心部まで十分に加熱しよう。湯通し程度では、ウイルスは死滅しない。特に高齢者や乳幼児では注意しよう。
- 二枚貝の調理に使用したまな板や包丁は、すぐに熱湯消毒しよう。
- 野菜、果物などの生鮮食品は、水道水で十分に洗おう。
- 調理する際、食事の前、トイレの後には、よく手を洗おう。
おう吐物、便等の処理（ウイルスによる感染性胃腸炎）
- ウイルスによる感染性胃腸炎では、感染している人のおう吐物、便から二次感染する。
- ウイルスが乾燥すると、容易に空中に漂い、その飛沫（ウイルスを含んだ小さな水滴、1から2m程度飛散）をわずかでも吸い込むことで感染するため、処理する際には次の「3原則」を守ろう。
- すぐに拭き取る・乾燥させない
- きれいに拭き取ってから消毒する
- しっかり手洗いをする
感染性胃腸炎にかかったら
- ウイルスを原因とする感染性胃腸炎に対して、特別な治療法はない。治療は輸液、整腸剤などの対処療法に限られる。症状が続く期間は比較的短期間ですので、脱水を防ぐために水分補給や安静が必要。
- 乳幼児や高齢者などの抵抗力の弱い方が感染すると重症になることがあるため、早めに医療機関を受診しよう。
- 止しゃ薬（いわゆる下痢止め薬）を使用すると、病気の回復を遅らせることがあるため、使用については、医師に相談してからにしよう。
- 二次感染を防ぐため、症状のある間の入浴は、シャワーのみにするか、最後に浴槽に入るようにしよう。また、症状が消えてからも10日から1か月は便にウイルスが排出されるため、手洗いをしっかり行うこと。
（https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/30860/norouirusuwohirogenaitameni_1.pdf）
