ニュースの要点
2024年度厚生労働科学特別研究事業「緊急避妊薬の薬局販売に備えた薬剤師研修用資材の作成」(研究代表者=亀井美和子帝京平成大学薬学部教授)の研究報告書が7月4日に公表された。
目次
研究要旨
- 緊急避妊薬を販売する薬剤師の研修の在り方等の検討
本研究においては、緊急避妊薬のスイッチOTC化に備えて、薬局等における適正販売に資する薬剤師の研修の在り方(研修受講者、研修の形態、受講者の管理等)を検討した。スイッチOTC化後は薬局の薬剤師に加えて店舗販売業の薬剤師を受講対象とする必要がある。また勤務先機関に拘らず広く薬剤師が受講することが望ましい。研修の形態は、速やかに全国各地の薬局又は店舗販売業において販売可能な体制とするため、(公社)日本薬剤師研修センターのe-learningシステムによる受講形態が適している。研修修了者及びその勤務先情報を公表する場合は、研修修了者からの申請に基づいて厚生労働省が情報の管理・更新等を行うことが適切である。 - 緊急避妊薬を販売する薬剤師の研修の教材内容の検討
本研究においては、緊急避妊薬のスイッチOTC化に備えて、薬局等における適正販売に資する薬剤師の研修の在り方(研修受講者、研修の形態、受講者の管理等)を踏まえて、薬剤師の研修内容を検討した。(公社)日本産婦人科医会の協力を得て、緊急避妊薬のスイッチOTC化に備え、販売に係る薬剤師の研修内容を整理した。現行のオンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤」に係る研修内容に加えて、購入希望者の妊娠の有無の可能性を判断するための学習、及び、性暴力・性被害者に適切に対応するための学習などを含めた研修教材が適切であると考えられ、また、当該研修教材はオンライン診療に伴う調剤の研修と共通化しうると考えられた。 - 緊急避妊薬を販売する薬剤師の研修の教材の作成
本研究においては、緊急避妊薬のスイッチOTC化に備えて、薬局等における適正販売に資する薬剤師の研修の在り方(研修受講者、研修の形態、受講者の管理等)、及び、薬剤師の研修内容の検討結果を踏まえ、(公社)日本産婦人科医会の協力を経てe-learning用の研修教材として、6つの動画教材と試験問題を作成した。