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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.2(2025)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は2月25日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2025年No.2」を公表した。

  1. 投与量:エリキュース錠5mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    ・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を目的にエリキュース錠を使用する場合には、減量基準がある。処方監査を行う際は、用量が標準的であるか確認するだけでなく、患者の状態が減量基準に該当しないかについても確認する必要がある。
    ・ 高齢者は一般に腎機能が低下し、エリキュース錠の血中濃度が上昇するおそれがあるため、特に注意して用量の確認を行うことが重要である。
    ・患者に初めてエリキュース錠が処方された時に減量基準に該当していなくても、服用を継続している間に患者の年齢や体重、腎機能が変化し、減量基準に該当することがある。薬剤師は、エリキュース錠を服用している患者の年齢や体重、腎機能の変化を定期的に把握することが重要である。
  2. 病態禁忌:ザルティア錠5mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    ・本事例は、患者がバイアスピリン錠100mgを服用していることをお薬手帳から把握した 薬剤師が、脳梗塞の既往があることを聴取し、さらに発症時期まで詳細に確認したことにより病態禁忌に気付いた事例である。
    ・ 患者にザルティア錠が処方された際、併用薬に抗凝固薬や抗血小板薬などがあれば、心筋梗塞や脳梗塞・脳出血の既往があるか確認し、併せて発症時期も聴取する必要がある。
    ・処方された薬剤の病態禁忌に患者が該当するか否かを検討するには、薬剤師は患者の既往歴や現病歴、検査値などを把握しておくことが重要である。そのために、情報を収集する手順などを決めて薬局内に周知し、漏れなく確認する必要がある
  3. オピオイドの中止により不要となった薬剤の中止漏れ:スインプロイク錠0.2mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    ・スインプロイク錠0.2mgは末梢性μオピオイド受容体拮抗薬であり、消化管のμオピオイド受容体に結合し、オピオイドの末梢性作用に拮抗することによりオピオイド誘発性便秘症を改善する薬剤である。
    ・スインプロイク錠0.2mgはオピオイドの副作用防止のために処方されるため、オピオイドの投与を中止する際はスインプロイク錠0.2mgも中止する必要がある。
    ・薬剤師は、薬剤の作用機序などの特性を理解したうえで処方監査を行うことが重要である。そのためには、日頃から薬剤に関する知識を深めておく必要がある。

詳細は以下の資料をご確認ください。
※時間の経過とともに、出典元の資料が閲覧不可能になった場合は、リンクで飛べなくなります。ご了承ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2025_02.pdf

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