ニュースの要点
日本医療機能評価機構は4月27日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例「2026年No.4」を公表した。
- 名称類似薬の処方間違い:ゾフルーザ錠20mg[疑義照会・処方医への情報提供]
- 本事業には、ゾフルーザ錠とゾコーバ錠の取り違えの事例が複数報告されている。これらの事例を活用して、2026年1月に製薬企業から「ゾフルーザとゾコーバの取り違え注意のお願い」が発信された。
- ゾフルーザ錠とゾコーバ錠の処方間違いの事例は、本事例のように薬剤師が患者から聴取した感染症の種類と処方された薬剤の効能・効果が一致しないことから疑義照会を行った事例のほか、ゾフルーザ錠が数日分、あるいはゾコーバ錠が1日分処方された事例など、薬剤師が用法の間違いに気付いて疑義照会を行ったところ、処方間違いが判明した事例も報告されている。
- 新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルス感染症などの患者が来局した際は、患者の体調だけでなく、他の来局者への感染防止にも配慮する必要があり、対応する薬局・薬剤師の負担は大きい。このような状況下であっても、処方監査を行う際は、処方された抗ウイルス薬の用法・用量が適切であるか確認するとともに、患者から感染症の種類を聴取し、処方薬と照合することが重要である
- 投与量:ラゲブリオ錠400mg[疑義照会・処方医への情報提供]
- 新型コロナウイルス感染症経口治療薬のラゲブリオは、2025年5月にラゲブリオ錠400mgが発売され、先に販売開始されたカプセル剤(200mg)と併せて規格・剤形が異なる2種類の製剤が販売されている。
- ラゲブリオカプセル200mgは、1回4カプセル服用する薬剤である。一方、ラゲブリオ錠400mgは1回2錠服用する薬剤であり、カプセルと比較して小さく、服用時の負荷を軽減できることが期待されている。
- 本事業には、ラゲブリオ錠400mgの発売以降、採用薬をラゲブリオカプセル200mgから 切り替えた医療機関からラゲブリオ錠400mgが誤った用量で処方され、過量であることに気付いた薬剤師が疑義照会を行い、用量が変更になった事例が報告されるようになった。
- 薬剤師は、ラゲブリオは規格・剤形の異なる2種類の製剤が販売されていることを踏まえ、医療機関が採用薬の規格を変更した後は用量の処方間違いが生じやすいことを認識し、処方監査の際には、薬剤の規格・剤形、1回量・1日量に間違いがないか確認することが重要である。
- 病態禁忌:ベサコリン散5%[疑義照会・処方医への情報提供]
- 患者の病態や既往歴は、薬剤服用歴や患者からの聴取だけでは十分に把握できない場合がある。病態禁忌などの確認に必要な情報が不足している場合には、治療を担当する医師に直接問い合わせ、他科の治療に関する情報なども提供し、判断を仰ぐことが重要である。
- 本事例は、薬剤師が、患者の病態がベサコリン散5%の禁忌に該当する可能性を疑い、泌尿器科の他に受診している循環器内科の医師にもベサコリン散5%の服用の適否について直接確認した事例である。患者の治療に関わる他の医師とも連携を取り、丁寧に対応した好事例である。
- オンライン資格確認等システムの活用により、複数の診療科や医療機関を受診する患者の情報を共有するための基盤が整備されつつあるが、医療機関間や医師間の情報共有が十分に行われているとは言い難い状況も依然として存在している。
- 複数の医療機関・医師を受診する患者の調剤を行う薬剤師は、患者の処方薬を一元的・継続的に把握するとともに、治療中の疾患や既往歴に関する情報を収集する必要がある。患者の病態や治療に影響を与える可能性のある薬剤が処方された際には、処方医だけでなく治療に関わる他の医師に対しても積極的に情報提供し、確認する姿勢が求められる。



(https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2026_04.pdf)


