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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.5(2025) 【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は5月26日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2025年No.5」を公表した。

  1. 名称類似薬の取り違え:フルナーゼ点鼻液50μg 56噴霧用[調剤]
    ・薬剤を採用する際は、すでに採用している薬剤と名称が類似していないか確認し、取り違えが起きそうな組み合わせがあれば、薬剤棚への注意喚起の表示、薬局職員への情報提供などを行い、薬剤の取り違えを防止するための対策を講じることが重要である。
    ・本事例の背景・要因には、名称が類似する薬剤の一覧表の更新に漏れがあったことが挙げられている。薬局内で医薬品情報の収集・管理を行う担当者を決め、情報を常に最新の状態にアップデートする体制を構築することは、薬剤の取り違えを防止するうえで有用である。
    ・先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤を行う場合、処方箋に記載された薬剤とは名称の異なる薬剤を調製するため、薬剤の取り違えが起きやすい。正しい薬剤を取り揃えるための具体的な手順を定め、遵守することが重要である。
  2. 配合変化:ゼビアックスローション2%[疑義照会・処方医への情報提供]
    ・ゼビアックスローション2%/油性クリーム2%は2024年1月に添付文書が改訂され、過酸化ベンゾイル製剤との重ね塗りにより変色が起こり、皮膚や衣服等へ着色することについて注意喚起が行われた。
    ・本事例は、ゼビアックスローション2%/油性クリーム2%の添付文書に適用上の注意が追加されたことを把握していた薬剤師が、処方医に疑義照会を行った事例である。薬剤師は、日頃から情報収集を行い、最新基づいて調剤を行うことが重要である。
    ・添付文書の改訂情報を入手するには、薬剤の外箱に表示されているバーコードを読み取って電子化された添付文書や関連文書を閲覧すること、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構が提供する医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録してメールで受け取ることなどが有用である。
  3. 不適切な販売の回避(現病歴):新コンタック600プラスs[一般用医薬品等]
    ・プソイドエフェドリンは交感神経を刺激し、肝臓のグリコーゲンの分解を促進することで血糖値を上昇させる作用があるため、糖尿病の患者が服用すると血糖コントロールが乱れ、病状が悪化する可能性がある。
    ・プソイドエフェドリンを含有する一般用医薬品は、新コンタック600プラスsの他に、アレグラFXプレミアム、パブロンセレクトN、ベンザブロックLなどがある。不適切な販売を回避するため、特定の背景を有する患者が使用できない要指導医薬品や一般用医薬品を取りまとめ、薬局内で共有しておくことは有用である。
    ・一般用医薬品等の購入に関する相談を受けた際は、添付文書を確認するとともに、患者の現病歴や服用中の薬剤を正確に把握し、適切な判断を行うことが重要である。

詳細は以下の資料をご確認ください。
※時間の経過とともに、出典元の資料が閲覧不可能になった場合は、リンクで飛べなくなります。ご了承ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2025_05.pdf

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