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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.6(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は6月25日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.6」を公表した。

  1. 交付時の患者間違い:調剤
    • 交付時の患者間違いにより、別の患者の薬剤を服用した場合、重大な健康被害が生じる可能性がある。薬剤を交付する際は、薬剤を受け取りに来た患者や代理人から受診の目的・症状や経過などの必要な情報を聴取し、聴取した症状や病状に対して、薬剤が適正であるか検討する必要がある。
    • 交付時の患者間違いを防ぐため、患者確認を行うための具体的な手順を薬局内で定めて運用することが重要である。薬剤を交付する際に、薬袋や薬剤情報提供書に記載されている氏名を患者と一緒に確認する方法や、受付時に引換番号札を渡して、交付時に確認する方法などは、患者間違いを防ぐための有効な手段となる。
    • 本事業の第30回報告書の分析テーマでは、「交付時の患者間違いに関する事例」について分析を行った。患者間違いが起きた場面ごとに、背景・要因、薬剤交付の有無、患者間違いに気付いた契機などを整理し、主な事例の内容や薬局から報告された改善策を紹介している。
      第30回報告書の分析テーマ【2】交付時の患者間違いに関する事例
  2. 規格変更時の計数間違い:【般】カルボシステイン錠500mg [調剤]
    • 処方医に問い合わせを行った際は、問い合わせた内容とその結果を速やかに処方箋の備考欄などに記録し、調剤に携わるすべての職員と情報を共有することが重要である。
    • 処方内容が変更になった際、取り揃える薬剤の規格や剤形、錠数が記された指示書などを調剤時に補助的に活用することは、薬剤を正しく取り揃えるために有用である。
    • 調剤に関する手順は、内容を薬局のスタッフに周知し、常時確認できるようにしておくことが重要である。
    • 患者に正しく薬剤を交付するためには、適切に鑑査を行うことが重要である。鑑査は、交付前の最終確認であるということを意識し、処方内容や調製された薬剤、薬袋・薬剤情報提供書の記載内容などを確認する必要がある
  3. 規格間違い:モイゼルト軟膏1%[疑義照会・処方医への情報提供]
    • モイゼルト軟膏はアトピー性皮膚炎の治療薬として2022年6月に販売が開始された国内初の外用ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤であり、0.3%製剤と1%製剤の2種類の 規格が販売されている。
    • モイゼルト軟膏は、小児には通常0.3%製剤を使用するが、症状に応じて1%製剤を使用することが可能である。小児に処方されたモイゼルト軟膏の規格に疑義が生じた場合は、使用歴や診察時の医師とのやり取りなどを患者家族から聴取したうえで、処方医に問い合わせを行う必要がある。
    • 薬局で新規に薬剤を採用する際、薬剤の適正使用や取扱い、使用上の留意点などに関する 勉強会を行うなど、薬局のスタッフが知識を習得する機会を設けることは適切な処方監査を行ううえで有用である
出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_06.pdf

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