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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.8(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は8月26日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.8」を公表した。

  1. 同効薬の重複:エピナスチン塩酸塩錠20mg「トーワ」[疑義照会・処方医への情報提供]
    • お薬手帳を有効活用するには、患者が服用・使用している薬剤のすべてが一つのお薬手帳に集約されていることが前提である。薬剤師は患者に、お薬手帳の正しい活用方法やその重要性を説明し、患者が適切に使用・管理できるよう平素より関わり続ける必要がある。
    • 2024年12月2日に従来の健康保険証の発行が終了するため、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録したマイナ保険証の利用が促進されている。患者が医療機関や薬局でマイナ保険証を提示し、情報の提供に同意すれば、過去に処方された薬剤や特定健診の結果などの情報を医師や薬剤師などと共有することができる。
    • 適切に処方監査を行うためには、かかりつけ薬剤師・薬局として患者の服薬情報を一元的・継続的に管理する必要があるが、現状では患者が複数の薬局を利用することもあり、処方されている薬剤をすべて把握することが難しい場合もある。お薬手帳やマイナ保険証などのツール、医療情報連携ネットワークを活用し、患者の服薬情報を収集することが重要である。
  2. 同効薬の重複:デノタスチュアブル配合錠[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 本事例は、活性型ビタミンD3 製剤が処方された際、天然型ビタミンD3 を含むデノタスチュアブル配合錠の残薬があることを把握した薬剤師が処方医に情報提供し、同効薬の重複を避けることができた事例である。
    • 患者が継続して服用している薬剤が変更・中止になった際、薬剤師は、薬剤の成分、処方目的、変更・中止の理由、今まで服用していた薬剤の残薬数を把握したうえで、残薬がある場合はいつまで服用するのかなどを処方医に確認し、処方医の意図に沿った指導を行う必要がある。
    • デノタスチュアブル配合錠は、プラリア皮下注60mgシリンジなどのRANKL阻害薬の投与に伴う低カルシウム血症の治療および予防のため処方される薬剤である。プラリア皮下注60mgシリンジの投与中止後、デノタスチュアブル配合錠の補充継続期間については明確な基準は示されておらず、個々の患者の血清補正カルシウム値等を考慮し、最終的には医師の判断により決定される。薬剤師は経過を観察し、服薬フォローアップを行うことが重要である。
  3. 病態禁忌:ロキソニン錠60mg・フロモックス錠100mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 薬剤師が、患者の腎機能が低下していることを把握・記録していたことで適切に処方監査を行い、疑義照会を行った事例である。
    • 歯科で処方されることが多い非ステロイド性鎮痛・抗炎症・解熱薬や抗菌薬には、腎機能が低下した患者に注意が必要な薬剤があることに留意し、患者の病態や臨床検査値などを把握したうえで処方監査を行い、必要に応じて代替薬の提案を行うことが重要である。
    • 本事業を運営する医療事故防止事業部では、歯科に特化した報告システムを整備して歯科ヒヤリ・ハット事例収集等事業を開始し、2023年10月より歯科診療所の参加登録と事例報告を受け付けている。

詳細は以下の資料をご確認ください。
※時間の経過とともに、出典元の資料が閲覧不可能になった場合は、リンクで飛べなくなります。ご了承ください。

出典:厚生労働省ホームページ(https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_08.pdf

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