ニュースの要点
日本医療機能評価機構は1月26日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2026年No.1」を公表した。
- 1.一包化調剤における薬剤間違い:ユニバーサルカセット[調剤]
- ユニバーサルカセットは、自動錠剤分包機で使用される多様な形状の錠剤・カプセルに 対応できる汎用型カセットである。専用カセットの入れ替え作業や手撒き分包の負担を軽減できる利点がある一方で、使用前後の確認を怠ると、残存した薬剤が別の患者の一包化調剤時に混入する可能性があることに留意する必要がある。
- ユニバーサルカセットの使用にあたっては、薬剤を入れる前と分包終了後に、さらに1日の業務終了時に、カセット内に薬剤が残っていないことを確認する作業を手順に定め、遵守することが重要である。
- 使用する分包機の特性にかかわらず、一包化調剤した薬剤を鑑査する際は1包目のみの照合では不十分であり、すべての薬包について処方内容と分包された薬剤を照合する必要がある。特に複数の患者の薬剤を連続して分包する場合には、他剤混入のリスクが高まることを前提に、より確実に照合を行うことが重要である。
- 調剤機器は年々性能が向上しているが、最新の機器であってもピットフォール(落とし穴)が生じることを念頭に置いて作業する必要がある。安全に業務を行うには、調剤機器を新たに導入した際に調剤機器製造業者の推奨する確認手順を参考にして業務手順書を改訂し、取り決めた確認作業を継続して行っていくことが重要である。
- 名称類似薬の取り違え:ロフラゼプ酸エチル錠1mg「サワイ」[調剤]
- 向精神薬は、鍵付きのシャッターが付いた棚や引き出しなどで管理する必要があり、限られたスペースで複数の薬剤を保管するケースが多い。そのため、名称または外観が類似した薬剤でも近接して配置せざるを得ない場合がある。このような環境下で薬剤を正しく取り揃えるには、取り違えを防止するための対策が重要になる。
- 名称や外観が類似した薬剤を同じ引き出し内で保管する場合、本事例の改善策のように仕切りを設けて薬剤を定位置に配置する、外箱に注意喚起の札を取り付けるなどの対策は有用である。
- 名称が類似する薬剤は取り違えが発生しやすいことから、レセプトコンピュータに入力された処方データと取り揃えた薬剤を突合する調剤監査支援システムを導入するなど、薬剤の鑑査の精度を高めるための対策を講じることが望ましい。
- 受診勧奨(来局者の症状):口唇ヘルペス[一般用医薬品等]
- 眼瞼ヘルペスと口唇ヘルペスは、どちらも主に単純ヘルペスウイルスⅠ型による疾患であるが、眼瞼ヘルペスは結膜炎や角膜炎を併発することがあり、視力障害を引き起こす可能性があるため、早期に眼科や皮膚科を受診する必要がある。
- 本事例は、薬剤師が購入希望者から症状や患部などの詳細な情報を聴取した結果、一般用 医薬品の販売は不適切と判断し、受診勧奨を行った好事例である。購入者が一般用医薬品や要指導医薬品を適正かつ安全に使用するために、薬剤師には適切な情報収集、販売可否の判断、使用者への情報提供が求められる。
- 本事業には、本事例のように一般用医薬品や要指導医薬品の不適切な販売を回避した事例だけでなく、誤って購入者に禁忌の薬剤を販売した事例なども報告されている。一般用医薬品等の適正使用を推進するためには、薬局において関連する事例を共有し、適正かつ安全に販売 するための対策を講じることが有用である。薬局で起きた一般用医薬品等に関する事例を積極的にご報告いただければ幸いである。



(https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2026_01.pdf)


