ニュースの要点
厚生労働省は12月26日、「第10回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催し、「医薬品医療機器等法(薬機法)改正に向けたとりまとめ(案)」を提出した。取りまとめ(案)は議論を受けて一部修正し、最終的なとりまとめを公表する。
薬局関連:具体的な方向性(抜粋)
- デジタル技術を活用した薬剤師等の遠隔管理による医薬品販売
- 映像および音声によるリアルタイムのコミュニケーションツールが普及し、対面時と同 等の情報収集や情報提供が可能となっており、人材の有効活用を図ることも重要となっていることから、薬剤師等が常駐しない店舗(受渡店舗)において、当該店舗に紐付いた薬局・店舗販売業(管理店舗)の薬剤師等による遠隔での管理の下、一般用医薬品を保管し、薬剤師等が映像および音声による相談応需可能な環境下で購入者へ受け渡すことを可能とすべきである。
- 制度の導入にあたっては、特に受渡店舗での対応のあり方や薬事監視にかかる対応について検証していく必要があるとともに、当分の間、管理店舗と受渡店舗は同一都道府県内とした上で、制度導入後の課題等の検証を踏まえてより広範囲での制度導入も含め検討すべきである。
- 調剤業務の一部外部委託の制度化
- 患者の医薬品の安全使用と医薬品アクセスを確保しつつ、薬局薬剤師の対物業務の効率化を図り、対人業務に更に注力できるようにする必要があることから、薬局の所在地の都道府県知事等の許可により、調剤業務の一部の委託を可能とすべきである。調剤業務の一部外部委託を実施する場合は、患者への医薬品提供が遅れるなどの問題が生じないようにすること、服薬指導等の対人業務が不十分にならないようにすることが必要となる。
- あわせて、患者の安全確保のため、国家戦略特区の実証事業の状況も踏まえ、受託側および委託側の薬局における必要な基準を設定するとともに、薬局の開設者および管理薬剤師に係る義務や責任を法令上規定すべきである。
- 薬局の機能等のあり方の見直し
- 人口構造が変化する中、在宅患者への対応を含む医薬品提供体制や健康・介護相談対応など地域において薬局に求められる役割・機能については、他の薬局、医療機関、行政機関等と連携して地域において体制を確保する必要がある。また、地域連携薬局および健康サポート薬局について、地域においてそれらの役割・機能を中心的に担う薬局として明確化するとともに、地域住民がこれらの薬局を利用するメリットを認知できるようにする必要がある。
- そのため、地域連携薬局について、居宅等における情報の提供および薬学的知見に基づく管理・指導を主要な機能として位置付けるとともに、健康サポート薬局については、患者が継続して利用するために必要な機能および個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局として、都道府県知事の認定を受けて当該機能を有する薬局であることを称することができることとすべきである。
- なお、法改正事項以外の見直し事項については、「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」における議論内容および「これまでの議論のまとめ」に基づき必要な対応を進めるべきである。
- 薬局機能情報提供制度の見直し
- 医薬品の販売区分及び販売方法の見直し
- 処方箋なしでの医療用医薬品の販売の原則禁止
- 要指導医薬品に係るオンライン服薬指導方法の追加等
- 濫用等のおそれのある医薬品の販売方法の厳格化
- 一般用医薬品の分類と販売方法
- 処方箋等の保存期間の見直し