ニュースの要点
厚生労働省は7月1日、『第7回「医療DX令和ビジョン2030」』を以下の議題にて開催した。
議題
1.医療DXの進捗状況について
2.電子処方箋・電子カルテの目標設定等について
目次
電子処方箋の普及状況(抜粋)
- 令和7年6月22日現在、全国のオンライン資格確認システム導入施設数212,972のうち、113,992施設(53.5%)が電子処方箋の利用申請済であり、70,212施設(33.0%)が電子処方箋の運用開始済である。
- 医療機関の導入は13.3%にとどまる(医科に限定した場合は19.1%)一方、運用開始済の薬局は8割を超え、利用申請済(運用開始済を含む)の薬局は9割を越えており、足元の利用申請・導入実績を踏まえると、薬局については今夏には概ね全ての薬局での導入が見込まれる。
電子処方箋・電子カルテの目標設定等の概要(抜粋)
- 電子処方箋の新目標
- 電子処方箋については、「概ね全国の医療機関・薬局に対し、2025年3月までに普及させる」こととしていた。2025年6月時点で運用開始済の薬局は8割を超えており、薬局については今夏には概ね全ての薬局での導入が見込まれる。一方、医療機関への導入は1割程度に留まる。
- 医療機関において電子処方箋の導入を進めるにあたっては、電子カルテが導入されていることが重要であるため、電子処方箋の新たな目標では、電子カルテ/共有サービスと一体的な導入を進めることとし、「患者の医療情報を共有するための電子カルテを整備するすべての医療機関への導入を目指す」。
- 電子カルテ/共有サービスの普及策
- 電子カルテについては、「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すこと」としている。この目標達成に向け、オンプレ型で、かつ、カスタマイズしている現行の電子カルテから、いわゆるクラウドネイティブを基本とする廉価なものへと移行することを図りつつ、
- 電子カルテ導入済の医療機関には、次回更改時に、共有サービス/電子処方箋に対応するシステム改修等の実施、
- 電子カルテ未導入の医療機関には、共有サービス/電子処方箋に対応できる標準化された電子カルテの導入を進める。
- 電子カルテについては、「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すこと」としている。この目標達成に向け、オンプレ型で、かつ、カスタマイズしている現行の電子カルテから、いわゆるクラウドネイティブを基本とする廉価なものへと移行することを図りつつ、
- その他(医薬品・臨床検査コードの整備)
- 医薬品コードについては、現在、様々な場面で様々なコードが活用されているが、各コードの関係性が整理されておらず、トラブルの発生や現場負担等につながっている。そこで、電子処方箋トラブルの再発リスクの低減、医薬品のトレーサビリティの強化等を目的として、令和8年度から各医薬品コードの関係性を国が明らかにする等の対応を行う。
- 臨床検査コードについては、厚労省標準規格(JLAC10)の使用が推奨されているが、実際にはコードが統一されていないため、システム間での情報連携が容易でなく、現場のコスト増大の一因になっている。そこでJLAC10を改善したJLAC11を厚労省標準規格として、電子カルテ等の標準仕様で統一的な検査コードとして位置付ける。



電子処方箋に関する新たな目標設定
- 電子処方箋の新目標
更なる医療安全を確保するため、電子処方箋については、- 保険制度下における処方箋について、速やかに概ねすべての調剤結果が電子処方箋管理サービスに登録されることを目指すとともに、
- 患者の医療情報を共有するための電子カルテを整備するすべての医療機関への導入を目指す
- 医療機関への導入方針
【電子カルテを導入済の医療機関】電子カルテを更改するタイミング等で、電子カルテ情報共有サービスへの対応とともに一体的に導入を促進
【電子カルテを未導入の医療機関】電子処方箋機能を実装する標準型電子カルテの導入もしくは電子カルテ情報共有サービスに対応したクラウド型電子カルテとの一体的な導入を促進



