ニュースの要点
AMR臨床リファレンスセンターは10月10日、「抗菌薬意識調査レポート 2024」を発表した。
感染症治療に使われる抗菌薬(いわゆる“抗生物質”)が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化している。日本でもメチシリン耐性黄色ブドウ球菌と薬剤耐性大腸菌の感染症による死亡者数が、年間8,000人を超えるとの推計も出ており、1日あたり約22人が薬剤耐性菌により亡くなるという深刻な影響が懸念されている。AMRの問題は抗菌薬の不適切な使用が一因であり、その対策として私たちにできることは、抗菌薬の正しい知識を持って適切に使うこととなる。
AMR臨床リファレンスセンターでは、今年も一般の方 727人を対象に抗菌薬に関する意識と行動の調査を行った。その結果、意識の面では、一般の方の抗菌薬やAMRに対する認知度は昨年より改善がみられたが、抗菌薬の適正使用やAMR、薬剤耐性菌への正しい知識は未だ不十分であることが判明した。行動の面では、処方された抗菌薬を飲み切る人の割合が昨年より増加していた。