ニュースの要点
厚生労働省は6月8日、「第1回電子処方箋等検討ワーキンググループ」を開催した。
議題:電子処方箋の機能追加等について
各機能拡充の検討状況について
リフィル処方箋への対応
- 本年10月リリース予定のリフィル処方箋や口頭同意については、現場での都度改修の負担に配慮する必要があることに加えて、モデル地域などで実際に丁寧に確認するべきとの指摘を踏まえ、現在のモデル地域や早期導入施設等を中心に先行導入し、その知見を踏まえ横展開していく「プレ運用期間(仮)」として取り組んでいくこととしてはどうか。
- リフィル処方箋をはじめ追加機能の実装が順次可能となるが、電子処方箋自体がまだ導入途上であることに加えて、今後、追加機能の実装有無が施設毎に分かれていくこととなる。周辺地域の対応施設について、国民にわかりやすく把握できるような周知が必要。
- 一斉に開始することが望ましいものの、システム導入のスケジュールを策定し、全医療機関・薬局、システム事業者等とも合意の上、導入状況を管理する必要があり、全国で一斉に開始することは難しいものと考えている。
口頭同意による重複投薬等チェックの機能改善
- 医療機関・薬局のシステムでは、医師・薬剤師が患者から口頭同意を得た旨のフラグを重複投薬等チェック要求ファイルに格納できる仕様とし、電子処方箋管理サービスに登録できるようにする。
- また、口頭同意を得たことについては、電子カルテシステム及び薬局システムへの記録を求めることとする。5月末に技術解説書を公開済み。
マイナンバーカードを活用した電子署名に係る対応
- HPKI認証局及びデジタル庁において、HPKIとマイナンバーカード(以下「MNC」という。)を紐付けることで、MNCでもHPKIの仕組みで電子処方箋への電子署名ができる仕組みの構築を検討中。
- 電子署名については、HPKIリモート署名の仕組みを用いて医師・歯科医師・薬剤師個人の現住所を含まないプライバシーに配慮した形での署名が可能。HPKI認証局への利用申請は引き続き必要(マイナポータルを活用し画面を構築予定)
- 原則MNCで1日1回PIN入力することで、処方箋発行時に自動で署名付与。
本年10月以降は、 HPKIカードに加えてMNCを活用したHPKIリモート署名が可能となる予定。
稼働後は、認証局の判断により、HPKIカードの発行可否を決められるので、現下のカード不足の対応やコスト削減も可能。
医療扶助への対応や院内処方といった他の医療DX取組事項と連携した機能拡充の検討
その他、電子処方箋に係る医療機関・薬局システムのモダンシステム化や、トレーシングレポート等薬剤師起点の情報連携といった中長期的な機能拡充に係る検討