LINE登録で「薬剤師が知っておくべき情報まとめ」を配信中詳しくはこちら

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.11(2023年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は11月27日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2023年No.11」を公表した。

  1. 散剤の用量:フスタゾール散10%[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 本事例は、添付文書に記載されている製剤量を成分量と誤認したため、処方箋の用量間違いを見逃し、疑義照会を行わなかった事例。監査システムなどの機器で用量超過の警告が表示された場合は、添付文書などを確認し、薬学的に疑義が解消されない限り調剤を行わないことが重要である。
    • フスタゾール散10%の添付文書の「6.用法及び用量」には、「クロペラスチン塩酸塩として、通常成人1日30 ~ 60mg」と記載がある一方で、「7.用法及び用量に関連する注意」には散10%としての1日投与量が成人では「300mg ~ 600mg」と記載されており、成分量と製剤量が同じ単位で記載されていることに注意する必要がある。
    • 2023年9月29日に厚生労働省から発出された「鎮咳薬(咳止め)・去痰薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」によると、主要な鎮咳薬の生産量は、新型コロナウイルス感染症の流行以前の約85%まで低下しており、安定的に供給されるには一定の期間を要するとされている。今後もしばらくは、主要な鎮咳薬の供給が不安定となる状況が予測されるため、普段は自局で取り扱わない鎮咳薬についても適切に調剤できるように、対策を講じておくことが望まれる。
  2. 併用禁忌の誤認:フルコナゾールカプセル「疑義照会・処方医への情報提供」
    • 本事例は、処方箋に記載されたコメントから、処方医が添付文書の禁忌欄に記載された薬剤名を誤認した可能性があると考えた薬剤師が、処方医に正しい情報を提供した事例。
    • 添付文書には併用禁忌に該当する薬剤の一般的名称が記載されるが、配合剤の場合は併用禁忌に該当しない成分も併記されるため、誤認しないよう注意する必要がある。本事業には、類似の事例として、オルメサルタン錠を服用中の患者に、フロリードゲル経口用2%やパキロビッドパック600/300、ゾコーバ錠125mgが処方された際に、薬剤師が誤って併用禁忌であると判断し、処方医に疑義照会をした事例も報告されている。
    • 併用禁忌を確認する際は、添付文書の相互作用にある「臨床症状・措置方法」「機序・危険因子」やインタビューフォームを確認し、併用禁忌の薬剤とその理由を把握したうえで判断することが重要である。
  3. DPP-4阻害剤による副作用(受診勧奨):トラゼンタ錠5mg「疑義照会・処方医への情報提供」
    • 本事例は、血液検査の結果を見た薬剤師が薬剤による副作用の発現を疑い、専門医への受診勧奨を行った事例。
    • ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤による類天疱瘡の発現が疑われる際は、速やかに皮膚科医の診察を受ける必要がある。重大な副作用の初期症状を見逃さないよう、薬剤師がDPP-4阻害剤を服用している患者に対し、かゆみを伴う浮腫性紅斑、水疱、びらんの有無などについて定期的に確認することは有用である。
    • 本事例では、家族が患者の検査値について薬剤師に相談したことが皮膚科医への受診に繋がった。薬剤師が、患者の薬物療法に適切に関与するためには、薬剤師の職能について患者や家族から理解を得て、何でも相談してもらえるような信頼関係を築いておくことが重要である。

詳細は以下の資料をご確認ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2023_11.pdf

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次