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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.7(2023年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は7月26日に、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2023年no.7」を公表した。

  1. 薬剤の選択間違い:【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール(プラセボ無)「調剤」
    • 一般名処方された薬剤を、レセプトコンピュータに入力するときに薬剤の選択を誤り、効能・効果が異なる他の薬剤を調剤した事例。同一の有効成分・剤形を有する薬剤であっても効能・効果、用法・用量等の異なるものが存在する場合には、括弧書き等により区別を行う場合がある。処方箋に記載された内容に不明な点があれば調べて、解決してから調剤することが重要である。
  2. 薬剤変更提案時の用量換算:グルコンサンK錠5mEq「疑義照会・処方医への情報提供」
    • 薬剤師が代替薬への変更を処方医に提案する前に換算方法の間違いに気付き、適切な用量を提案した事例。代替薬への変更を処方医に提案する場合は、薬剤師はそれぞれの薬剤に関する情報を収集し、慎重に検討することが肝要である。 
    • カリウム製剤は、製剤により生体内利用率や組織移行性等が異なるため、本来は薬局の都合等で安易に切り替えるべきではないことを薬剤師は理解しておく必要がある。
      〈参考〉
      各カリウム製剤によって、常用量(添付文書で規定している用法・用量/ 1日量;K+のmEq数)は異なっている。これは各製剤の生体内利用率や組織移行性等の違いによるものと考えられる。切り替える際の確定された換算式はないが、常用量対比から計算する方法がある。
      常用量対比で換算した用量を切替え時の目安の初回用量として、薬剤切替え後は、適切な期間内[処方医のご判断;例)概ね1 ~ 2週間]に血清カリウム濃度を測定し、用量調整すること。
      常用量対比=それぞれの製剤の1日用量の上限同士を治療学的に等量と考え、以下を比例計算するという考え方
  3. 相互作用:アナストロゾール錠1mg「疑義照会・処方医への情報提供」
    • ラロキシフェン塩酸塩錠は添付文書上、アナストロゾール錠と併用禁忌・併用注意ではないが、本事例は、薬剤師が診療ガイドラインを参照して情報提供を行った事例。薬剤師は患者の併用薬の確認を行い、薬剤の相互作用や重複投与などのリスクを最小限に抑える役割を担っている。
    • 2021年8月より「専門医療機関連携薬局」と「地域連携薬局」という2つの認定制度が開始された。薬局及び薬剤師は、専門性の高い情報発信や研修会を通じて地域の医療機関や薬局と連携し、地域包括ケアシステムの一員として患者の安全な薬物治療に貢献することが期待されている。
    • アロマターゼ阻害薬を服用中の患者は骨量の低下が懸念されるため、他院で骨粗鬆症の指摘を受ける可能性がある。骨粗鬆症の薬物治療を開始する際には、乳がんの治療を受けている医療機関の主治医や薬剤師に相談するよう、あらかじめ患者に説明しておくことは薬剤師の重要な役割のひとつである。

詳細は以下の資料をご確認下さい。

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