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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.7(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は7月25日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.7」を公表した。

  1. インスリン ペン型注入器の確認不足:[調剤]
    • インスリン カートリッジ製剤を患者に交付する際、薬剤師は患者の所有するペン型注入器と薬剤が正しい組み合わせであることを確認することが重要である。
    • インスリン リスプロBS注カートHU「サノフィ」は、ヒューマログ注カートのバイオ後続品(バイオシミラー)であるが、製造販売業者が異なるため、適合するペン型注入器は異なることに注意が必要である。
    • 2021年10月に製薬企業から、インスリン カートリッジ製剤とペン型注入器を間違った組み合わせで使用したことにより、低血糖や高血糖などの副作用が生じたとの注意喚起が発信されている。
      ※インスリン カートリッジ製剤とインスリン ペン型注入器の組み合わせ指導について(参照2024年5月27日)
    • インスリン製剤は生命に直結する薬剤である。インスリン カートリッジ製剤とペン型注入器は、標準規格を取り決め、どの製薬企業のカートリッジ製剤とペン型注入器を組み合わせても安全に使用できるようにすることが望まれる。
  2. 名称類似薬の処方間違い:グルコン酸カルシウム水和物[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 処方オーダの際は、薬剤名の読み仮名の最初の3文字を入力し、検索された薬剤群から処方する薬剤を選択することが多い。グルコン酸カルシウム水和物とグルコン酸カリウムは、読み仮名の最初の7文字が一致しているため、処方入力の間違いが起きやすい組み合わせである。
    • 本事例は、処方医が薬剤を間違えて選択した可能性があると考えた薬剤師が、疑義照会を行った事例である。処方する医師や医療機関が変更になる場合は、名称類似などによる処方間違いの可能性を考慮して、処方監査を行う必要がある。
    • 処方する医師や医療機関が変更になった場合は、「薬剤サマリー」「退院時服薬情報提供書」「お薬手帳」「検査値」などの情報を医療機関、施設などと共有し、その情報をもとに処方監査を行うことが重要である。
  3. 薬剤の組成・性状:カムシア配合錠LD「ニプロ」[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 一般的に、配合錠は1錠中に有効成分が均等に分布されておらず、分割すると各々の有効成分の含量が不均等になるため、原則として分割は不可である。 
    • 配合錠の半錠・粉砕の可否について、添付文書に記載されている内容から判断することが
    • 難しい場合は、製薬企業から情報収集を行うなどして、製剤の特性を理解し、半錠・粉砕の可否について検討を行う必要がある。 
    • 本事業には、カムシア配合錠LD以外にも、セレスタミン配合錠、トラベルミン配合錠、トラムセット配合錠、ミコンビ配合錠AP/BP、レザルタス配合錠LD/HDなどの割線がない配合錠が半錠で処方されたため、疑義照会や処方医へ情報提供を行った事例が報告されている。

詳細は以下の資料をご確認ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_07.pdf

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