ニュースの要点
厚生労働省は9月20日、「令和5(2023)年受療行動調査(概数)」の結果を取りまとめ公表した。
受療行動調査は、医療施設を利用する患者に対し、医療を受けた時の状況や満足度などについて、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的に、3年ごとに実施している。
令和5年は全国の一般病院489施設を利用する患者(外来・入院)約15万3千人を対象として10月に調査を実施し、約10万4千人から有効回答を得た。
結果の概要(抜粋)
- ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先
ふだん医療機関にかかる時に「情報を入手している」者は、外来が 80.7%、入院が3.6%、「特に情報は入手していない」者は、外来が 16.3%、入院が 14.1%となっている。 - 予約の状況、診察等までの待ち時間、診察時間(外来患者のみ)
外来患者の予約の状況をみると、「予約をした」は79.0%となっている。外来患者の診察等までの待ち時間をみると、「15分未満」が 27.9%と最も多く、「15分~ 30分未満」が 24.9%、「30分~1時間未満」が 20.6%、1時間未満(「15分未満」 「15分~30分未満」 「30分~1時間未満」)が約7割となっている。
外来患者の診察時間をみると、「5分~10分未満」が 40.9%と最も多く、「5分未満」が28.5%、「10分~20分未満」が 14.8%となっている。 - 最初の受診場所(外来患者のみ)
外来患者が、調査日現在に受診した病気や症状について最初に受診した場所をみると、「最初から今日来 院 した病院を受診」が51.4%と最も多く、「 最初は他の病院を受診」 が27.6% 、「最初は診療所・クリニック・医院を受診」が18.8%となっている。 - 自覚症状の有無、自覚症状はなかったが受診した理由、受診までの期間(外来患者のみ)
(1)自覚症状の有無、自覚症状はなかったが受診した理由 外来患者が、調査日現在に受診 した病気や症状を初めて医師に診てもらった時、「自覚症状があった」は 66.1%、「自覚症状がなかった」は28.4%となっている。 「自覚症状がなかった」と回答した者の受診した理由をみると、「健康診断(人間ドックを含む)で指摘された」が45.9%と最も高くなっている。
(2)受診までの期間「自覚症状があった」 「自覚症状がなかった」と回答した者について、受診までの期間をみると、「1週間~1か月未満」が19.9%と最も多く、「1~3日」が15.0%となっている。 - 医師からの説明の有無、説明の程度
病気や症状に対する診断や治療方針について、医師から「説明を受けた」者は、外来で96.3%、入院で 94.2%となっている。医師から「説明を受けた」者について、「説明は十分だった」 は外来 94.5% 、入院で91.8% 、「説明は十分ではなかった」は外来で5.5%、入院で8.2%となっている。 - 今後の治療・療養の希望(入院患者のみ)
入院患者の今後の治療・療養の希望をみると、「完治するまでこの病院に入院 していたい」 が40.8%で最も多く、次いで、「自宅から病院や診療所に通院しながら、治療・療養したい」が 35.1%となっている。 - 退院の許可が出た場合の自宅療養の見通し(入院患者のみ)
入院患者の退院の許可が出た場合の自宅療養の見通しをみると、「自宅で療養できる」は 63.1%、「自宅で療養できない」 は19.4%となっている。 - 満足度
全体としてこの病院に「満足」していると回答した者は、外来で63.7%、入院で67.3%、「不満」であると回答した者は、外来で4.4%、入院で5.3%となっている。