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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.9(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は9月25日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.9」を公表した。

  1. 服薬支援機器へのセット間違い:服薬支援機器[調剤]
    • 服薬コンプライアンス向上を目的とした服薬支援ツールは、薬剤を服用する曜日と服用時点ごとに仕分けする 「お薬カレンダー」 が普及しているが、最近では、薬剤を服用する時間を音や光で知らせることで、薬剤の飲み忘れや飲み間違いを予防する服薬支援機器が開発され、個人宅や施設で利用されるようになってきている。
    • 服薬支援機器へのセット間違いは、患者に重大な健康被害をもたらす可能性がある。服薬支援機器に薬剤をセットする際は、分包紙の印字等を確認しながら行い、セットし終わった後に間違いがないか再確認する必要がある。
    • 薬剤師は、服薬支援機器に薬剤をセットする場合は確認事項・手順を定めて遵守する必要がある。家族や介護スタッフがセットする場合は、セット間違いが健康被害をもたらす可能性を説明し、注意喚起を行うことが重要である。
    • 服薬支援機器に薬剤をセットする際は、視認性を高める工夫をして作業を行うことが重要である。例えば、服薬支援機器の薬剤カセットに用法ごとに色分けした識別シールを貼る、分包紙にラインを引き色分けするなどの対策は有用である。
  2. 薬局の登録が必要な薬剤への不適切な対応:モディオダール錠100mg[調剤]
    • モディオダール錠100mgは、2007年3月に販売を開始した薬剤であるが、2020年2月に「特発性過眠症に伴う日中の過度の眠気」の適応症が追加承認された際に、適正使用を図るため、本剤を処方・調剤する医療機関の医師および薬局の調剤責任者は登録センターに登録する手順に変更になった。
    • 薬剤師は、適正流通管理の対象品目および調剤に必要な登録手続きの方法、薬剤の交付が可能となるまでの期間などを把握しておく必要がある。
    • 適正流通管理の対象品目の処方箋を応需した際、自局での調剤が可能であるか判断し、早期の調剤が難しい場合には、速やかに調剤可能な薬局を紹介するなど適切な対応を行うことが重要である。
  3. 服薬コンプライアンス・アドヒアランスの不良:モビコール配合内用剤LD[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 患者の服用状況などを確認するため、薬剤師には、必要に応じて、薬剤を交付後に服薬フォローアップを行うことが求められている。
    • 薬剤師は、交付時に患者向け資材などを活用して薬剤の服用方法について説明するだけでなく、交付後に電話などで服用状況や体調変化の確認を行うことや、患者宅に出向き実際の服用方法を見て確認することも、薬剤の適正使用のために有用である。
    • 薬剤師は、患者の生活環境や服用状況、服用に関する理解力などを考慮し、適切な薬剤を処方医に提案することが重要である。
出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_09.pdf

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