ニュースの要点
厚生労働省は4月4日、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2024」を公表した。
抗菌薬の不適切な使用を背景として、薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、国際社会でも大きな問題となっている。この薬剤耐性問題に対応するためには、ヒト、動物、食品及び環境といった各分野横断的な対応(「ワンヘルス・アプローチ」)が重要であると、国際的にも認識されている。
我が国においても、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの中で、ヒト、動物、食品及び環境等から分離される薬剤耐性菌の分離率や抗微生物剤の使用量(又は販売量)等に関する、統合的なワンヘルス動向調査を毎年実施することが掲げられ、AMRの現状を正確に把握し、課題を抽出、適切な施策を進めることが重要とされている。
厚生労働省は、こうした問題意識の下、毎年、専門家や関係府省庁担当者によって構成された薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会を開催してる。
本報告書では、検討会での議論を踏まえ、新たに2023年までの動向をとりまとめた。
