ニュースの要点
国立感染症研究所は、「2025年第12週の感染症週報」を公表した。第12週の百日咳患者数は458人、第1週~第12週の累積患者数は4100人となり、昨年1年間の患者数を上回っている。日本小児科学会は3月29日、「百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加について」を公開した。2011年から中国でマクロライドに耐性の百日咳菌(以下、耐性菌)が報告され、日本国内における耐性菌の増加に注意が必要としている。
現在、百日咳に有効なワクチンは3種混合・4種混合・5種混合ワクチンの中に含まれ、これらの定期接種導入により百日咳の患者数は減少した。しかし、現行の定期接種は生後2か月から開始され、0歳代に3回と1歳を超えて1回の追加接種の計4回接種であり、それ以降の追加接種は設定されていない。そのため、抗体が減少してくる幼児期から学童期では4回のワクチン接種を受けているにも関わらず、感染者の報告がなされている。
「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」では、任意接種となるが、就学前に3種混合ワクチンを、また現在11~12歳の定期接種となっている2種混合ワクチンの代わりに3種混合ワクチンの接種を推奨している。

(https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/jp/idwr/2025/idwr2025-12.pdf)