ニュースの要点
財務省は4月23日、財政制度等審議会財政制度分科会を開催し、医学部・歯学部・薬学部の定員数について、「大胆な削減に踏み切るべき」と定数削減を求めた。
医療分野への理工系人材の配分の在り方
- 医療分野の専門職である医師・歯科医師・薬剤師は、いずれも総数が増加しており、特に女性の伸びが顕著。また、理工系の高等教育を受ける人材の3分の1、特に女性については6割が保健分野の学問を専攻している状況。
- 人口減少が続く中で、特定の業種・分野に人材が偏ることは、他分野への専門人材の供給に影響を及ぼしていることが懸念される。例えば、医学部については、足もとの医学部定員が今後も維持された場合、2050年には約85人に1人(1970年の約5倍)が医学部に進学する見込み。こうした状況が、理工系分野の高等教育を受けた人材の配分の在り方として課題がないか、社会経済全体の発展・成長に向け、希少な人材を最大限に有効活用する観点から検証が加えられるべきではないか。
医学部・歯学部・薬学部の定員数の削減
- 最新の医師需給推計によれば、2029年~2032年の間で需給が均衡することが見込まれており、医学部6年制を踏まえると、医師数が過剰となることは既に確定的であり、医学部定員を計画的に削減していくことが必要。
- 歯科医師・薬剤師についても、2012年以降、国家試験の合格者数が平均で定員数の8割程度となっており、既に定員数が過剰。そもそも、今後の人口減少や医療提供の効率化を踏まえれば、歯科医師・薬剤師を増加させる必要性は乏しいとも考えられる。
- 学問分野間の人材配分の適正化の観点からも、大胆な定員削減に踏み切るべき。
医療分野の専門人材の効率的活用
- 医師・歯科医師・薬剤師以外の医療関係職種(看護職員、リハビリテーション専門職員)を見ても、従事者数は一貫して増加している。少子化が進む中、仮に現在の養成数が維持されれば、18歳人口に占める医療関係職種の割合は大きく上昇することとなる。
- 2026年度診療報酬改定では、多職種の協働により患者への適切なケアが実施される場合には、事実上、看護職員の配置を緩和する仕組みが導入されたが、質が確保された希少な医療専門職を最大限に活かすという観点に立って、引き続き、職種間でのタスクシフト・シェアや多職種の連携強化を進めることが肝要。また、医療提供の更なる効率化に向け、中長期的には、現状では分断されている業際規制の見直しも検討すべきであり、例えば、医療専門資格の統合も視野に入れるべきではないか。
効率的な医療提供体制の構築③(薬局)
- 過去30年間で、薬局数は6割以上増加し、薬局に従事する薬剤師の数は3倍以上となっている。また、薬局は、小規模な形態が薬局は大宗を占めている。提供体制の効率化がなされないまま、人材の流入が継続してきたことが見て取れる。
- こうした小規模分散の体制は、対人業務の充実や安定的な医薬品供給の観点から問題。限りある医療人材の最適配分を実現し、効率的な医療提供体制を構築する観点から、薬局の集約化や大規模化に向けた取組が不可避。






