ニュースの要点
日本医療機能評価機構は6月25日に、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2026年No.6」を公表した。
- 投与量:アウィクリ注フレックスタッチ[疑義照会・処方医への情報提供]
- アウィクリ注フレックスタッチは国内初の週1回投与の持効型溶解インスリンアナログ注射液であり、2025年1月に総量300単位の製品、12月に総量700単位の製品が販売開始された。
- 連日投与のBasalインスリン製剤からアウィクリ注フレックスタッチへ切り替える場合、それまで投与していたBasalインスリン製剤の1日総投与量の7倍量を維持量の目安とするが、切り替え時は血糖値が上昇するおそれがあるため、初回時のみ維持量の1.5倍に増量することが推奨されている。処方監査をする際は、初回量と維持量がともに適切であるか、患者の状態や低血糖リスクを踏まえて慎重に判断する必要がある。
- 本事業には、アウィクリ注フレックスタッチに関して、初回量や維持量の処方間違いのほか、説明不足により患者が投与間隔や用量を誤って使用した事例が報告されている。
- アウィクリ注フレックスタッチが処方された際に適切に処方監査を行えるよう、「アウィクリ注投与ガイド」※1などに記載された内容を薬局で共有しておくとよい。さらに、患者への説明時には、「アウィクリ注をお使いになる方へ」などを用いて患者が正しく使用方法を理解できるよう支援する必要がある。
- 配合変化:ロセフィン静注用1g[疑義照会・処方医への情報提供]
- ロセフィン静注用は、カルシウムを含有する輸液と同時に投与すると配合変化により結晶が析出し、有効性や安全性が低下する可能性がある。ロセフィン静注用の投与中はメインの輸液を止め、投与前後に生理食塩液でフラッシュを行うなど、両薬剤のルート内での配合を避ける必要がある。
- 注射剤の配合変化は、薬効の低下やルートの閉塞だけでなく、患者に有害事象を引き起こすおそれがある。注射剤の処方監査を行う際、薬剤師は薬剤の組み合わせだけでなく、投与ルート、側管投与の可否、前後 フラッシュの必要性など、投与方法についても確認を行うことが重要である。
- 在宅医療を受ける患者は年々増えており、それに伴い中心静脈栄養や抗菌薬治療など、注射剤による薬物 治療が在宅で行われる機会も増加している。そのため、薬剤師は薬理作用だけでなく、注射剤の投与方法や配合変化、ルート管理が適切であるか判断するための知識を身に付け、安全な輸液管理について医師や看護師に情報提供を行うことが求められている。
- 副作用歴:アモキシシリンカプセル125mg「トーワ」[疑義照会・処方医への情報提供]
- 本事例は、薬剤師がお薬手帳の副作用歴欄に記載された内容をもとに疑義照会を行い、薬剤が変更になった事例である。お薬手帳を確認する際は、薬剤服用歴だけでなく、副作用歴やアレルギーに関する記載がないか確認することが重要である。
- 調剤を行う際に必要となる情報の確認漏れを防ぐために、受付時や処方監査時、調製時などの 各工程で、お薬手帳や患者、オンライン資格確認等システムなどから確認すべき項目を業務手順書に定め、薬局内で共有することが重要である。
- 患者に副作用歴やアレルギー歴がある場合、その情報が医療従事者に伝わらないと、適切な処方や調剤を行うことができない。薬剤師は、副作用歴やアレルギー歴を医療従事者へ伝えることの重要性について、日頃から患者に説明し、副作用が発現した際にはお薬手帳への記載を促す必要がある。





