ニュースの要点
財政制度等審議会・財政制度分科会の榊原定征会長は5月25日に、「歴史の転換点における財政運営」とする建議を、鈴木俊一財務相に提出した。主要分野において取り組むべき事項の「医療」については以下となっている。(抜粋)
③ 診療報酬・薬価(P39〜)
令和4年度(2022年度)診療報酬改定においては、看護の処遇改善と不妊治療の保険適用を実現するとともに、通院負担の軽減につながるリフィル処方箋の導入等によりメリハリある改定を行い、診療報酬(本体)の改定率を 0.43%とし、国民負担を抑制することとなった。
ア)令和4年度(2022年度)診療報酬改定と効率的で質の高い医療提供体制の整備
イ)リフィル処方箋の導入
ウ)調剤報酬改定と薬局・薬剤師の在り方
エ)外来受診時の負担
オ)薬価改定
調剤報酬改定と薬局・薬剤師の在り方について、令和4年度(2022 年度)診療報酬改定においては、リフィル処方箋の導入にとどまらず、調剤報酬について、昨年12月の当審議会の建議やこれを踏まえた大臣合意を一定程度反映する改定が行われた。具体的には、大規模グループ薬局やいわゆる同一敷地内薬局の調剤基本料等の見直しや、後発医薬品調剤体制加算の見直しなどである。とはいえ、調剤報酬については、薬剤師数の増加により薬剤師一人当たりの処方箋枚数は減少しているにもかかわらず、新型コロナの影響を受ける前は、薬剤師一人当たりの技術料が概ね維持・確保されている構図が続いてきた。調剤技術料に占める調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の割合も過去10年間でほとんど変化がなく、対物業務から対人業務への構造転換を図る姿勢が見えない。
調剤報酬の在り方について体系的見直しが不可欠であることは明らかである。薬剤師数の増加については、将来的に薬剤師が過剰になると予想されており、増加傾向にある薬学部・薬科大学の入学定員数の抑制も含め教育の質の向上に資する、適正な定員規模の在り方や仕組みなどを早急に検討し、対応策が実行されなければならないとした。