ニュースの要点
厚生労働省健康局結核感染症課は5月20日に、「サル痘に関する情報提供及び協力依頼について」とする事務連絡を発出した。これまで我が国においては、ヒトのサル痘の発生事例は報告されていないが、今般のヒトの感染事例については、アフリカ大陸以外の複数の国で、渡航歴のない感染者が発生しており、市中感染の発生が示唆されることから、我が国における輸入例等の発生に注意する必要がある。
感染症法に基づくサル痘の届出基準を改めて確認し、医療機関に周知して、臨床症状からサル痘を疑う患者の対応についての相談や情報提供があった場合には、厚生労働省健康局結核感染症課に情報提供をするように依頼している。また、サル痘の確定診断が実施可能な機関は、現時点で国立感染症研究所に限られることから、疑い事例が発生した場合には、国立感染症研究所への相談の上、検体搬送等について協力をもとめている。
※サル痘は、オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行している。我が国では感染症法上の4類感染症に指定されている。