ニュースの要点
厚生労働省は9月15日、「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」とする事務連絡を発出した。
新型コロナウイルス感染症の流行以降、抗菌薬を必要とする感染症の減少により、市場の抗菌薬供給量が縮小する中で、新型コロナウイルス感染症の影響下において流行が発生していなかった感染症の拡大に伴い経口抗菌薬の需要が増加しており、製造販売業者からの限定出荷が生じている。
当該企業においては増産の対応を行っているが、安定的に供給されるには一定の期間を要する状況となっている。
経口抗菌薬が真に必要な患者に、円滑に供給できる状況を維持することが重要である一方で、医薬品の配分は過去の流通・販売実績に応じて行われることが多いため、経口抗菌薬の適正使用を遵守してきた医療機関ほど大きな影響を受けることが懸念されている。
このような状況について、医療機関、薬局及び医薬品卸売販売業者等に対して周知し、限られた医療資源を必要な患者に適切に供給できるよう、経口抗菌薬が安定的に供給されるまでの間、下記について周知を依頼した。
- 経口抗菌薬について、返品が生じないよう、過剰な発注は厳に控えていただき、当面の必要量に見合う量のみの購入をお願いしたいこと
- 経口抗菌薬については、細菌感染症等が疑われる患者へ限定した適正使用について、引き続き努めていただきたいこと
- 薬局におかれては、処方された経口抗菌薬について、自らの店舗だけでは供給が困難な場合であっても、系列店舗や地域における連携により可能な限り調整をしていただきたいこと