ニュースの要点
中央社会保険医療協議会総会(第562回)が11月8日に開催され、来年度の診療報酬改定について議論された。
調剤についての課題(抜粋)
- 調剤医療費における課題・かかりつけ薬剤師の推進について・薬局・薬剤師の夜間・休日対応について
- 調剤後のフォローアップについて
- 保険薬局と保険医療機関等との連携について
- 重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応について(調剤料の見直しに伴う評価のあり方)
- 医療用麻薬の提供体制について
調剤についての論点(抜粋)
- かかりつけ薬剤師・薬局
- 重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応(調剤料の見直しに伴う評価のあり方)
- 医療用麻薬の供給体制
1.薬局、薬剤師の状況
- 調剤医療費の内訳
- 令和4年度の調剤医療費の内訳は、技術料が約2.1兆円、薬剤料が約5.7兆円であった。
- 技術料(約2.1兆円)の内訳は、調剤基本料が約6,553億円、薬剤調製料が約3,656億円、加算料が約562億円、薬学管理料が約1兆円であった。
- 調剤医療費における課題
- 「患者のための薬局ビジョン」の策定(H27.10)以降、患者本位の医薬分業を目指し、かかりつけ薬剤師・薬局を推進するために累次にわたる調剤報酬の改定を行っている。
- 調剤医療費の構造を踏まえると、かかりつけ機能の推進のほか、医薬品の供給拠点として必要な体制維持も薬局にとって一層重要となっている。
2.かかりつけ薬剤師・薬局について
- 薬局・薬剤師の夜間・休日対応について
- かかりつけ薬剤師指導料等を届出していない理由として、「夜間休日に患者からの相談に応じる体制がとれないから」が多く挙げられた
- 夜間・休日の対応に関する課題としては、「薬剤師の精神的・身体的負担が大きい」ことが多く挙げられた
- 常勤換算の薬剤師数が2人以下の薬局では、3人以上の薬局と比較して、夜間・休日対応ができない割合が高い
- 夜間・休日対応していないと回答した薬局のうち、複数の薬局と連携することで対応可能と回答した薬局が25.4%あった。
- 調剤後のフォローアップについて
- 調剤後のフォローアップの実施は調査した患者の61.4%で実施されている・フォローアップの方法としては電話が多く、約6割で医療機関への情報提供等の対応が実施されていた。
- 心不全、認知症においては、薬局薬剤師が考えているよりも、診療所・病院からの薬局薬剤師によるフォローアップのニーズが高い傾向にある。
- 医療機関における地域包括診療料の対象疾患における薬剤師によるフォローアップのニーズが高い。
- 保険薬局と保険医療機関等との連携について
- 薬局と医療機関における連携内容は、薬局から医療機関への患者の服薬状況等の情報提供は実施している薬局が多く、特に効果があったと選択する割合も高かった。
※医療機関の調査では、連携の課題として、急遽調剤に対応できる薬局、麻薬、抗がん剤などの薬剤を扱っている薬局、在宅訪問する薬局など、薬局の機能に関する情報がわからないことが多く挙げられていた
- 薬局と医療機関における連携内容は、薬局から医療機関への患者の服薬状況等の情報提供は実施している薬局が多く、特に効果があったと選択する割合も高かった。