ニュースの要点
厚生労働省は12月4日、第6回「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」を開催し、AG(オーソライズド・ジェネリック)やサプライチェーンの強靭化について議論した。
AGについて検討すべき論点:抜粋
- 有識者検討会報告書では「先発品企業がAGの製造販売業者からライセンス料等を得るケースが多く、形を変えた先発品企業の長期収載品依存となっていると指摘されている」と記載されている。
- また、同報告書では、「 特許期間中の新薬の売上で当該新薬の開発に係る研究開発費を回収するとともに、新たにバイオ医薬品を含む革新的新薬の創出に向けた投資を行う。」、「 後発品上市後は、自らは市場から撤退し、後発品企業に安定供給等の役割を譲る。」ことが、研究開発型の収益構造(ビジネスモデル)として求められることとしている。
- この観点からは、先発メーカーが、新薬の特許切れ後も子会社でAGを製造販売すること等により収益を得る構造は同報告書で指摘されている研究開発型の収益構造ではないと考えられるのではないか。その前提として、当該収益構造を成立させるためには、新薬の特許期間中に当該新薬の研究開発費を回収できる環境整備と併せてAGの在り方を検討する観点も必要である。
- 一方、AGの実態について、AGであることを後発品の採用基準としている医療機関が53.4%、薬局が51.6%存在している。また、AGの製造数量については、毎年度増加傾向にあり、後発品を中心とした医薬品の供給不安が発生している現状において、一定の役割を果たしていることも事実である。