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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.1(2024年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は1月25日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2024年No.1」を公表した

  1. 一般用医薬品との重複:メチコバール錠[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 薬剤師が患者から要指導・一般用医薬品や健康食品、サプリメントの服用に関する情報を聴取し、処方された薬剤との重複や相互作用などの有無を確認することは重要である。
    • 本事例は、患者が服用していた一般用医薬品と処方された薬剤の成分が重複していることに気づき、処方医に疑義照会を行った事例。
    • 水溶性ビタミンの過量服用により重篤な副作用が発現する可能性は低いが、処方された薬剤と同類のビタミンを含有する薬剤を患者がすでに服用していることは、医師が治療薬を選択するうえで有用な情報になり得る。
    • 要指導・一般用医薬品や健康食品、サプリメントの服用に関する情報は、お薬手帳に記載されていることが少ないため、患者から直接聴取する必要がある。薬剤師が情報を収集する意義を患者に理解してもらい、服用している要指導・一般用医薬品や健康食品、サプリメントをお薬手帳に記載するよう指導することが望ましい。
  2. 処方医への不適切な情報提供(一般用医薬品との併用禁忌):にゾコーバ錠125mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 本事例は、薬剤師が、ゾコーバ錠125mgの添付文書に記載されたクリアミン配合錠の一般的名称を見て、無水カフェインが併用禁忌であると誤認し、無水カフェインを含有する一般用医薬品とゾコーバ錠125mgの併用に関する誤った情報を処方医に提供した事例。
    • クリアミン配合錠A1.0/S0.5は、ゾコーバ錠125mgとの併用によりエルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。そのため、ゾコーバ錠125mgはクリアミン配合錠と併用禁忌であるが、無水カフェインとは併用禁忌ではない。
    • 誤った情報を提供することにより、本来受けられるはずの必要な治療が受けられなくなることは、患者にとって不利益である。薬剤師は、薬剤に関する正しい情報を処方医に提供することが重要である。
    • 医療用医薬品の添付文書の併用禁忌には該当する薬剤が一般的名称で記載されることがあり、配合剤の場合は併用禁忌に該当しない成分も併記されるため、誤認しないよう注意する必要がある。平素からインタビューフォームや医薬品リスク管理計画書(RMP)などを活用し、薬剤の特性や服薬に関する注意事項を理解しておくことが重要である。
    • 疑義照会や処方医へ情報提供を行う前に提供する情報が正しいか確認することや、行った後に提供した情報の適否を再検討する機会を設けるなど、疑義照会に関する手順を具体的に検討する必要がある
  3. 漫然とした投与:ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 高齢化が進み、医療機関への入院、在宅療養、施設への入居など患者が療養する環境が変化する中で、受診する医療機関・医師が変更になるケースが多くなっている。患者の薬物療法を正しく引き継ぐには、薬剤情報を一元的・継続的に管理することが重要であり、薬剤師が果たす役割は大きい。
    • 本事業には、薬剤を服用する必要性が乏しくなっているにもかかわらず、処方が漫然と繰り返されている事例が報告されている。薬剤師が患者の服薬状況、薬剤の効果や副作用のモニタリングを行い、継続の必要性について定期的に検討することは重要である。
    • 今まで継続していた薬剤を減量、中止したり、頓服へ変更したりする場合は、体調の変化がないかなど、その後の患者の経過について確認する必要がある。

詳細は以下の資料をご確認ください。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2024_01.pdf

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