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抗菌薬(抗生物質)の処方に関する調査 【AMR臨床リファレンスセンター】

ニュースの要点

AMR臨床リファレンスセンターは2月7日、2022年11月-12月に、全国の20歳-69歳の生活者を対象とした「抗菌薬(抗生物質)の処方に関する調査」の結果を発表した。

「薬剤耐性(AMR)」が起こる要因の一つに、 抗菌薬の不適切な使用があげられる。薬を安全に正しく使用するための第一歩として、自身が服用する薬の種類を正しく認識することが重要となる。今回はかぜ症状で医療機関を受診した人に、処方された薬の認識について、抗菌薬を中心に調査した。

「抗菌薬(抗生物質)の処方に関する調査」調査結果を発表

◎あなたは自分に処方された薬を、きちんと把握していますか?
「抗菌薬はかぜに効かない」 にも関わらず約半数の人が、かぜ症状で抗菌薬が処方されていると思っている。
また、自分の抗菌薬の処方に関して、3人に1人が思い違いをしている結果となった。

調査結果のポイント
  • かぜ症状で受診した際に、49.3%の人が抗菌薬を処方されたと思っていた(実際の抗菌薬処方の有無にかかわらず)。
  • 抗菌薬を処方されたと思っていた人の65.0%は、実際には抗菌薬は処方されていなかった。
  • 40.0%の人が抗菌薬の効果として「ウイルスをやっつける」と誤認している。

以下、総括抜粋

〈総括〉

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院
AMR臨床リファレンスセンター 情報・教育支援室長

藤友結実子

当センターでは、 毎年「抗菌薬意識調査」をしています。この意識調査のみでは、 調査対象となった方々の「抗菌薬」に関する具体的な理解の程度について、よくわか らない部分がありました。そこで今回の調査では、少し違うやり方で、 一般の方々 の抗菌薬に関する理解について探りました。具体的には、調査対象者に実際に処方 された薬を挙げていただき、そこに抗菌薬が含まれるかどうかをこちらで判断する という手法を取っています。その結果、 多くの方が抗菌薬について誤解している、 もしくは知識が十分でないことが見えてきました。

かぜ症状で受診した際に、抗菌薬を処方されたと思っている人のうち実際に抗菌 薬を処方されていたのは35.0%でした。逆に言えば 「処方された」 と思って家に 帰ってきた人の65.0%は、抗菌薬は実際には含まれていなかった、ということです。 これは、抗菌薬が具体的にどの薬かわかっていない人が多くいることを示しています。 抗菌薬だけでなく自分が服用する薬について確かな知識を得ることは、自分の病気 や治療、健康状態をよく知り、ひいてはより良く生きることにつながります。抗菌薬 だけでなく、自分の薬についてもっと知っていただきたいと思います。

それから、ほとんどの人は医師や薬剤師の説明を聞いているものの、 あまり話を 聞いていないという人も少なからずいます。聞いていない理由として、 「聞いても 難しくてわからないから」 というのが最も多くみられました。これらの結果から、 医療従事者は、 患者さんが理解しやすい説明を工夫することが必要だと考えます。 当センターでもこれらの結果を踏まえ、抗菌薬の適正使用についてどのようにすれば 理解が広がるのか、引き続き検討し、取り組みを進めてまいります。

詳細は以下の資料をご確認下さい。

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