この記事では「認定クリニカル・トキシコロジスト」になりたい方や興味がある方に向けて、「認定クリニカル・トキシコロジスト」に関する疑問を解消できるように、知っておきたいことを解説していきます。
目次
認定クリニカル・トキシコロジストとは
認定クリニカル・トキシコロジストとは、薬毒物中毒についての豊富な知識・技能を持つ専門家です。
中毒治療は臓器別疾患系統からは分類が難しいとされています。臨床急性中毒に対応していくためには、これに携わる臨床医(救急医)のみならず薬剤師や分析担当者、情報担当者など幅広い分野から経験を持ち寄り分析を蓄積していくことが重要です。
認定クリニカル・トキシコロジストの仕事
認定クリニカル・トキシコロジストは、次のような職種の人が取得しています。
- 医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師等の病院関係者
- 中毒医療研究員
- 警察等の行政担当者
認定クリニカル・トキシコロジストになる方法
STEP
日本中毒学会の正会員になる(3年以上)
STEP
研修単位を取得する(必修45単位を含む60単位以上)
STEP
認定申請書を提出する
STEP
審査通過者は認定試験を受験する(年1回)
STEP
「認定クリニカル・トキシコロジスト」認定証交付および認定料支払い
STEP
5年ごとに資格を更新する
更新方法は、日本中毒協会正会員の継続、更新のための研修単位の取得(必修30単位を含む50単位以上)、更新セミナーを受講(2回以上)
認定クリニカル・トキシコロジストの認定試験
申請資格
- 中毒の専門家として優れた人格および中毒医療に関する見解を備えていること
- 申請時において、中毒に関わる実務経験を3年以上有していること
- 申請時において、日本中毒学会の正会員歴が3年以上であること
- 学会の指定する学術集会、研究発表、研修セミナーなどにおいて、必修45単位を含む60単位以上履修していること
- 中毒医療に関与した実績を10例以上報告すること
申請期間
2023年4月1日(土)~4月30日(日)【必着】
申請提出先
〒164-0001 東京都中野区中野2-2-3 (株)へるす出版事業部内
日本中毒学会クリニカル・トキシコロジスト認定委員会 宛
認定料
20,000円(試験合格後、指定口座に支払う)
試験範囲
必須問題
- 急性中毒標準診療ガイド(じほう)
- クリニカル・トキシコロジスト認定セミナー
- ランチョンセミナー1(7月20日)「向精神薬乱用・依存を防ぐために臨床医ができること」
- ランチョンセミナー3(7月21日)「臨床中毒研究の中核となる中毒センターを目指して-薬毒物分析の有用性-」
選択問題
- 急性中毒標準診療ガイド(じほう)
- 中毒研究29:339-342,2016「カフェインの基礎毒性学」
- 中毒研究30:401-406,2017「カフェインの分析」
- 中毒研究31:7-13,2018「有毒アルコールの臨床」
- 中毒研究31:276-280,2018「中毒中級講座:薬物中毒に対する血液浄化療法」
- 日本中毒情報センターホームページ 概要(事業内容)
- 各種解毒薬・拮抗薬の添付文書(構造式を含む)
受験場所
鹿児島サンロイヤルホテル
※「第42回日本中毒学会総会・学術集会」に併催予定
更新条件
- 認定後も日本中毒学会の正会員を継続していること
- 5年間、中毒臨床に貢献するとともに、認定委員会が指定した50単位(必須30単位以上を含む)を取得していること
- 認定委員会の定める更新セミナーを 2 回以上受講していること
更新申請期間
2023年8月1日(火)~9月30日(土)【必着】
おわりに
この記事の内容は、執筆時点での最新情報になります。認定クリニカル・トキシコロジストになりたいと思った方は、必ず日本中毒学会のサイトで詳細を確認してみてください。
一般社団法人日本中毒学会
中毒医療の発展と中毒事故・事件の防止に貢献することを目的としています