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《第1回》あの頃の自分を取り戻す?【まい薬局 平野道夫】

著者

平野道夫

【プロフィール】
まい薬局富士見店勤務
富士見・三芳薬剤師会学術部理事

城西大学薬学部セルフメディケーション学 非常勤講師
日経DIコラムニスト
認定実務実習指導薬剤師

近隣の薬学部学術サークル・有志の指導ボランティア担当

武道がライフワークで、中学からの空手修行で多くの大会出場
 2005年 世界空手道連盟 関東大会無差別級優勝
 2013年 世界空手道連盟 全日本選手権重量級3位

【著書】
「解消ポリファーマシー」(共著)

まい薬局富士見店ホームページ

まい薬局富士見店Twitter

私は薬剤師人生を常に前を向いて歩んできたつもりです。みなさんも日々の激務を通して同じ思いなのではないでしょうか。そこで今回、ちょっと昔を思い出してみませんか。

私の所属する薬剤師会では、地域の薬学部の実務実習生(5年生)達に手作りの「実習の栞」を渡しています。その栞の編集後記を是非、学生の頃の気持ちに戻ってご覧になってみてください。

編集後記

必要なのは、感謝の心と志

薬剤師は患者さんだけではなく、たくさんの地域の方々を笑顔にすることができる国家資格です。そんな薬剤師の仕事が私は大好きです。そして、好きなことを仕事にできるという幸せにとても感謝しています。

みなさんは、実務実習を通して本物の薬剤師の姿をじっくりと学んでください。そして薬剤師という職能が好きになって、夢を持つことが出来たのなら、それは悔いのない勉強ができた証です。

そして、薬学生として学べることの幸せにも感謝を忘れないでください。

自分ひとりの努力だけで、今があるわけではありません。

「いかにプロフェッショナルな薬剤師として生きるか」

という志さえ立てば、学生生活を含め、人生そのものが学問に変わります。

お互いの目標について、我々薬剤師や仲間たちと真剣に語り合いましょう。

そして、共に学んでいきましょう。

赤文字部分は、松下村塾の吉田松陰先生の言葉を真似てみましたが、みなさんの心にはどのように響いたでしょうか。

私個人の感覚かもしれませんが、実務実習生の頃は真摯で高い志を持つ人間が多いのに、卒業と共に少しずつ変化するようです。

当初、薬剤師を目指す第一の目的が「医療人として貢献する」であったものが、就職をする際に「幸せな生活」というものの比重が高くなるのかもしれません。

もちろん、「幸せな生活」を求めることには大賛成です。しかし、自分が得をする要素が「給与、通勤時間、残業時間、休日の日数、厳しくない仕事、世間体」のようなものだけだったら寂しいと思いますし、重い仕事が辛くなります。

私には煩雑な調剤業務や、難しくそして時間もかかる相談業務であっても、その先に患者さんや地域の方々の笑顔があるから、負担どころか充実した楽しい日々になっています。実務実習も日々の薬局での実習だけでなく、地域の学生達を集めて休日を何日も削って指導しています。完全なボランティアですが、これも学生達の感謝や笑顔があるから苦にならず楽しくできることです。

若い頃、当時の薬剤師会の諸先輩方との印象に残った会話です。

私「薬局薬剤師は○○をするべきです。」
諸先輩方「正論だが、誰もそんな面倒なことはやれない。君はまだ若い!」

あっさりと否定されたわけです。

薬剤師会の中堅になった頃は、

私「薬局薬剤師は○○をするべきです。私は実行しています。」
諸先輩方「正論だが、誰もそんな面倒なことはやれない。頑張っていますね。」

否定はしないが、肯定もされませんでした。

そして、現在では「貴薬局が特別なだけです。」と躱されているようです。

学生達に○○の話をすると、「そんなの当然です!」との返事が多いです。しかし、卒業するとトーンダウンし、さらに数年経つと意識の中から消え去っている場合も少なくありません。

そこで、みなさんに提案です。薬局薬剤師のあるべき姿を思い起こして、その中で、もし色々な事情で実行できていないものがあったら「本来は◯◯する。」と列挙してみてください。いくつでもいいです。思いつくものを書いてみてください。

そして、最後に列挙したすべてのものの「本来は」という言葉を、「私は」という言葉に入れ換えてみてください。

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