腎臓病療養指導士とは
慢性腎臓病(以下CKD)は初期の自覚症状がほぼ無いため早期発見が難しい病気です。日本成人の約8人に1人がCKDと推計されており、「新たな国民病」と言われています。自覚症状に乏しい早期に発見・診断し、適正な治療を継続して行うことが重要です。
CKDの治療は食生活など生活習慣の改善や定期的な通院が必要となり、多職種で構成した医療チームで行う療養指導が効果的だとされています。
腎臓病療養指導士は看護師・保健師・管理栄養士・薬剤師が対象であり、修得したCKD療養指導に関する知識およびそれぞれの職種の視点を生かして、専門医や他の医療従事者と協力しながら、ステージに応じた基本的な療養指導と療養の継続をサポートする役割を担っています。
腎臓病療養指導士の仕事
腎臓病療養指導士は次のような場所で活躍しています。
- 病院
- 薬局
腎臓病療養指導士になる方法
更新の際は、所定の療養指導の実務経験、必要単位数の取得(30単位)が必要
腎臓病療養指導士の認定試験
申請資格
- 看護師、保健師、管理栄養士、薬剤師のうちいずれかの資格を有し、応募時に資格取得後3年以上経過していること
- 療養指導の実地経験として、過去10年以内に通算2年以上、かつ通算1,000時間以上腎臓病患者の療養指導業務に従事していること
(実務経験を満たさない者は、症例研修e-learningによる実務経験代替研修を利用すること) - 下記の(a)〜(d)に相当する研修を、施設基準を満たす自施設または他施設(日本腎臓学会研修施設)で、10症例以上かつ各職種ごとに2症例以上行うこと
(a)腎臓内科医師による保存期CKD患者の外来見学
(b)看護師による保存期CKD患者の療法指導の見学または実施
(c)管理栄養士による保存期CKD患者の栄養指導の見学または実施
(d)薬剤師による保存期CKD患者の服薬指導の見学または実施 - 所持する専門資格、研修場所に応じて必要数の研修を証明する腎臓病療養指導研修証明書および症例中で各職種ごとの症例要約を提出すること
・自施設の場合:10症例の研修を行い、腎臓病療養指導研修証明書とともに、その中で自身の職種を除く3職種それぞれ2症例の合計6つの症例要約を提出
・他施設の場合:10症例の研修を行い、腎臓病療養指導研修証明書とともに、その中で4職種それぞれ2症例の合計8つの症例要約を提出
・症例e-learmingの場合:3ケースを視聴し、その視聴症例リスト、およびその中の2ケースについて4職種それぞれのレポート計8つを提出(研修証明書は不要)
※下記の対象専門資格を有するものは上記4.は不要
慢性腎臓病要領指導看護師(旧 透析療法指導看護師)、透析看護認定看護師、腎不全看護特定認定看護師、腎臓病病態栄養専門管理栄養士、腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師、腎領域の慢性疾患看護専門看護師 - 「腎臓病療養指導士認定のための講習会」を受講し、その受講証を提出すること(講習会受講は5年間有効)
受験申込期間
2022年7月1日(金)午前10時~7月29日(金)午後3時
申請書類受付期間
2022年8月22日(月)~10月3日(月)【必着】
試験日時
2023年2月5日(日)午後1時~4時(予定)
試験会場
TOC有明コンベンションホール
受験料
22,000円
更新条件
- 過去5年以内に通算2年以上、かつ通算1,000時間以上、腎臓病患者の療養指導業務に従事していること
(所定の実務経験を満たさない場合は症例研修e-learningの10単位取得と代替可) - 資格取得後5年間で30単位以上を取得すること(対象学会等は日本腎臓病協会の更新要件資料を参照)
更新料
10,000円
腎臓病療養指導士の認定実績
第1回(2017年)734名
内訳:看護師434名(59%)、管理栄養士154名(21%)、薬剤師146名(20%)
第2回(2018年)317名
内訳:看護師189名(60%)、保健師3名(1%)、管理栄養士57名(18%)、薬剤師68名(21%)
第3回(2019年)405名
内訳:看護師238名(59%)、保健師1名(ー%)、管理栄養士77名(19%)、薬剤師89名(22%)
第4回(2020年)209名
内訳:看護師107名(51%)、保健師2名(1%)、管理栄養士31名(15%)、薬剤師69名(33%)
おわりに
この記事の内容は、執筆時点での最新情報になります。腎臓病療養指導士になりたいと思った方は、必ず日本腎臓病協会のサイトで詳細を確認してください。