ニュースの要点
中央社会保険医療協議会 総会(第573回)が12月15日に開催され、長期収載品を選定療養に位置づけた際の保険給付と選定療養の負担に係る範囲などについて議論された。
保険給付と選定療養の負担についての具体的な論点
- 長期収載品と後発品の価格差を踏まえ、選定療養の場合における保険給付範囲の水準はどの程度とすべきか(長期収載品の薬価と、選定療養の場合における保険給付範囲の水準の差は、どの程度が適当か)。
- 上記を踏まえ、選定療養に係る負担については、どの程度を標準とするべきか。また、次の点についてどのように考えるか。
- 長期収載品の薬価を超えて、選定療養に係る負担を徴収することを認めるのか
- 選定療養に係る負担を徴収しないことや、標準とする水準より低い額で徴収することを認めるのか。
【論点①について】
- 長期収載品の薬価と選定療養の場合における保険給付範囲の水準の差については、
- 長期収載品を選好する場合における患者の負担の水準
- メーカーによる薬剤工夫など、付加価値等への評価
- 医療保険財政の中で、イノベーションを推進する観点や、従来とは異なるアプローチで更なる後発医薬品への置換を進める観点
- 選定療養化に伴い、一定程度、後発医薬品への置換えが進むことが想定される中で、現下の後発医薬品の供給状況といった観点を踏まえ、長期収載品と後発品の価格差の少なくとも2分の1以下とする方向で検討してはどうか。例えば、長期収載品と後発品の価格差の2分の1、3分の1、4分の1といった定め方を検討することも考えられるのではないか。
【論点②について】
- 選定療養に係る負担は、医療上の必要性等の場合は長期収載品の薬価で保険給付されることや、市場実勢価格等を踏まえて長期収載品の薬価が定められていることを踏まえると、上記の一定割合の相当分としてはどうか。特に、選定療養に係る負担を徴収しないことや上記の差より低い額で徴収することは、後発医薬品の使用促進を進めていくという施策の趣旨を踏まえる必要があるのではないか。