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「令和6年度予算の編成等に関する建議」を取りまとめ~診療報酬本体をマイナス改定・診療所の報酬単価「5.5%程度引き下げる」~【財務省】

ニュースの要点

財政制度等審議会財政制度分科会は11月20日、「令和6年度予算の編成等に関する建議」を取りまとめ、鈴木俊一財務相に提出した。

各論:社会保障(抜粋)

報酬改定:医療・介護・障害

  • 高齢化等による国民負担率の上昇に歯止めをかけることが必要。
    • 約2万2千の医療法人を対象に実施した財務省の機動的調査で判明した診療所の極めて良好な直近の経営状況(2022年度経常利益率8.8%)等を踏まえ、診療所の報酬単価を適正化すること等により、現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当
    • 診療所の報酬単価については、経常利益率が全産業やサービス産業(経常利益率3.1~3.4%)と比較して同程度となるよう、5.5%程度引き下げる。これにより、保険料負担は年間2,400億円程度軽減(現役世代の保険料率で▲0.1%相当。年収500万円の場合、年間5千円相当の軽減)
      その上で、現場従事者の処遇改善に向けて、毎年生じる単価増・収入増を原資とすることを基本としつつ、利益剰余金の活用(1医療法人当たり 1.24 億円)、強化される賃上げ税制の活用、その他賃上げ実績に応じた報酬上の加算措置を検討すべき。
      また、診療所の地域間の偏在への対応として、将来的に地域別の報酬体系への移行を視野に入れつつ、当面の措置として、診療所過剰地域における1点当たり単価の引下げを先行させ、それによる公費節減等の効果を活用して医師不足地域における対策を別途強化すべき。
  • 介護分野の職場環境の改善・生産性向上等に取り組むべき。

改革工程

  • 全世代型社会保障に向けた改革について、医療提供体制、保険給付範囲の在り方、能力に応じた負担の観点から検討が必要。

調剤報酬

  • 令和2年度(2020 年度)診療報酬(調剤報酬)改定では、一部の処方せん集中率が高い薬局を、点数がより低い調剤基本料2や調剤基本料3イの対象とする見直しを行っているが、その影響は極めて限定的であり、見直しは不十分である。
    また、財務省の調査によれば、処方せん集中率が高い薬局であっても、集中率が低く小規模な薬局と同様に調剤基本料1が算定されている実態が認められる。
    このため、経営の実態も踏まえつつ、処方せん集中率が高い薬局等については、調剤基本料1の適用範囲等を見直すべきである。
  • 調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1及び2の要件について、地域医療に貢献する薬局を重点的に支援する観点から抜本的に見直すこととし、例えば、処方せん集中率が高い薬局の後発品調剤割合要件の見直し、残薬への対応や減薬の提案に係る実績を必須化する、「地域連携薬局」の認定を受けていることを要件化するといった措置を講じるべきである。

リフィル処方箋

  • リフィル処方箋の普及促進に向けて周知・広報を図るべきである。あわせて、積極的な取組を行う保険者を各種インセンティブ措置により評価するとともに、薬剤師がリフィル処方箋への切り替えを処方医に提案することを評価する仕組みや、例えば OTC 類似薬については、薬剤師の判断でリフィルに切り替えることを認めること等を検討すべきである。

詳細は以下の資料をご確認下さい。

出典:財務省ホームページ(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/02.pdf

令和6年度予算の編成等に関する建議 財務省(2023年11月20日)

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