ニュースの要点
ニプロ、日本ジェネリック(日本GE)、第一三共エスファの後発医薬品企業3社は9月19日、注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤) 『アトモキセチン錠 5mg/10mg/25mg/40mg「ニプロ」』について、一部のロットにおいて、ニトロソアミン類の N-ニトロソアトモキセチン(N-nitroso-atomoxetine 以下、NAT という)を確認したため、自主回収(クラスⅡ)すると公表した。
【ニトロソアミン類の検出について】
経緯としては、「アトモキセチン塩酸塩」の原薬メーカーより、2021年3月までに製造した原薬の一部のロットから高含量のNATが検出されたとの報告を受けた。メーカーの報告によると原薬中の NAT は、原薬の製造工程において、窒素酸化物(NOx)を多く含む空気が流入する環境下で製造されたため、アトモキセチン塩酸塩と窒素酸化物が反応することで生成したと考えられてる。なお、原薬メーカーでは既にリスク低減策が講じられており、現在使用している原薬については、低値傾向であることは確認している。
高含量のNATが検出された原薬を使用した製品について評価したところ、定量範囲を超えるニトロソアミン類が検出されたことから、対象となるロットを自主回収(クラスⅡ)することとした。
【想定される健康への影響について】
今般検出されたNATそのものの発がん性に関する情報はない。また、弊社製品の安全性については、非臨床情報、公表文献、及び弊社が入手している臨床安全性情報を含め、全ての情報を包括的にレビューしているが、これまでに発がん性を示唆する事象は認められていない。本製品を服用された患者において、これまでに集積した安全性情報からニトロソアミン類に関連すると考えられる重篤な健康被害等の報告は認められていない。