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濫用等のおそれのある医薬品の販売について【厚労省】

ニュースの要点

厚生労働省は12月18日、「第11回 医薬品の販売制度に関する検討会」を開催した。「デジタル技術を用いた医薬品販売業のあり方」・「濫用等のおそれのある医薬品」などについて、課題と具体的な方策についてのとりまとめ案を了承した。

  • 販売時の専門家の関与と情報提供の努力義務についての整理(抜粋)
    • 医薬品の販売に当たっては、第三類医薬品であっても、専門家の関与が必要である旨、薬機法に規定されている。
      さらに、関与した際、必要に応じて情報提供を行うことは、専門家として当然に求められる。
    • また、第二類医薬品については、情報提供の努力義務が課されているが、十分に実施されていない実態がある。
    • 販売時に専門家が購入者の状況を確認の上、医薬品の適正使用のため情報提供が必要だと判断した場合には、専門家の責務として情報提供を行うことが当然に求められる(関与した際、その延長として情報提供を行うことは一連の流れであり、業務上新たな対応が求められるものではない)。
    • このため、今回のとりまとめではこの趣旨を明らかにし、「情報提供」については、専門家の関与と別に一律の情報提供の努力義務の規定を設けるのではなく、専門家の関与の内容として、必要に応じて情報提供すべき旨も含めて明確化することと整理してはどうか。
  • 濫用等のおそれのある医薬品の販売(抜粋)
    • 薬剤師等が販売可否の判断に当たり必要な情報を確実に確認するため、対面又はオンラインによる販売を原則とする。ただし、20 歳以上の者が小容量の製品1個のみ購入しようとする場合には、対面又はオンラインによらない方法による販売も可能とする(包装単位の適正な数量については、成分ごとに判断することとする。)。
    • 購入者が 20 歳以上であることの確認を行う。対面又はオンラインの場合、一見して明らかに判別可能であれば身分証等による確認を不要とするが、外見だけでは判別が難しい場合には、免許証や学生証等の写真付きの公的な身分証の提示を求めること等により年齢を確認することとする。対面又はオンラインによらない場合、本人認証済みのアカウントや本人確認サービスを利用するなど、購入者が 20 歳以上であることを確実に確認できる方法により確認を行うこととする。
    • 販売可否の判断のため、購入者の状況の確認を行う際には、通常の医薬品の販売において必要とされる情報に加えて、濫用目的でないかの確認を行うこととする。
    • 原則一人一包装単位の販売とする。特に、20歳未満の者が購入を希望する場合は小容量の製品1個の販売のみとする。20 歳以上の者が小容量製品複数個又は大容量製品の購入を希望する場合には、その購入理由を確認し、適正な使用のために必要最低限の数量に限って販売することとする。小容量については、成分や薬効群ごとに科学的知見も踏まえて、個別に検討すべきである。一回の使用期間や添付文書の使用上の注意等の記載にも留意すること。
    • 以下の場合には、購入者の氏名等を写真付きの公的な身分証等の氏名等を確実に確認できる方法で確認を行い、店舗における過去の購入履歴を参照し、頻回購入でないかを確認する。また、販売後にはこれらの情報及び販売状況について記録しその情報を保管する。
      • 20歳未満の者による購入の場合
      • 20歳以上の者による複数個又は大容量製品の購入の場合
      • 20歳以上の者による小容量製品1個の購入において必要な場合(状況確認の際に濫用目的や頻回購入が疑われる場合等)
      • 非対面による販売の場合

過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の調査(抜粋)
医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の調査結果では、年間1万人以上となっいる。令和4年度の調査結果では、20代、30代、40代、10代と続いている。

出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001179672.pdf

以下、厚生労働省より(2023年12月18日)
医薬品の販売制度に関する検討会とりまとめ(案)
各検討課題の参考資料
医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の調査結果

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