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薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.9(2023年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は9月29日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2023年No.9」を公表した。

  1. 後発医薬品の製造販売業者変更時の説明不足:【般】フロセミド錠20mg[調剤]
    • 薬剤を交付する際に製造販売業者が異なる後発医薬品に変更したことを患者に説明しなかったため、今まで服用していた薬剤と外観が違うことを不審に思った患者が服用を中断した事例。
    • 薬剤師は、処方監査や鑑査、交付の際に薬剤服用歴などを見て前回処方との比較を行うことが基本となる。その際、薬剤の製造販売業者についても、漏れなく確認する必要がある。
    • 製造販売業者が異なる後発医薬品への変更について情報が共有されなかったことが要因としてされている。必要な情報を患者に漏れなく提供するには、情報共有の重要性を理解し、薬局内のチームワークを高めて業務を行うことが有用となる。
  2. 電話でのやり取りによる規格間違い:オプソ内服液[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 医療機関と薬局で意思疎通がうまく行われず、処方意図と異なる規格の医療用麻薬が処方された事例。電話でのやり取りの際は、解釈に齟齬が生じる可能性があることを認識しておく必要がある。
    • 薬剤師は、医療機関等から薬剤に関する問い合わせを電話で受けた際、解釈の齟齬を防ぐためには薬剤の名称、規格・単位まで丁寧に確認することが重要となる。例えば、相手が言った内容について「2.5ミリとは2.5ミリグラムのことですか。」のように具体的に確認することや、FAXやメールなどの文字情報を用いて確認することが有用となる。
    • 医療用麻薬の内服液には、オプソ内服液の他にオキシコドン内服液があり、2.5mg(2.5mL/包)、5mg(2.5mL/包)、10mg(5mL/包)、20mg(5mL/包)の規格が存在する。内服液には1包あたりの有効成分の含量(mg)と容量(mL)の表記があることに留意し、他の医療従事者と医療用麻薬の内服液についてやり取りする際は、製剤の含量や容量の認識に齟齬が生じないよう、慎重に確認する必要がある。
  3. 受診勧奨(来局者の症状):フルコートf[一般用医薬品等]
    • 一般用医薬品の購入希望者から皮膚症状を聴取した薬剤師が、皮膚科医への受診勧奨を行った事例となる。ステロイド外用薬の購入希望者に帯状疱疹が疑われる場合は、重症化や後遺症が心配されるウイルス感染症の症状である可能性があること、ステロイド外用薬の使用は不適切である可能性があることなどを説明して、早期に医療機関を受診するよう勧める必要がある。
    • 一般用医薬品の不適切な販売を回避するために、薬剤師が症状の確認を行うことは有用となる。
    • 一般用医薬品の購入および既に購入した薬剤の使用の適否について、日頃から地域住民が薬局で気軽に尋ねることができる関係性を構築することは、セルフメディケーションの推進に有用となる。

詳細は以下の資料をご確認下さい。

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