ニュースの要点
東京都健康長寿医療センター研究所は6月10日、「読経を用いた健康プログラムの健康効果のエビデンスの国際発信」とする研究成果を公表した。
○研究のポイント
- 寺院において読経を活用した健康プログラムを実施した結果、精神的ウェルビーイングの改善がみられた。
- 良い意味がある非日常語であるお経を、息を長く使い大きな声でお唱えすることで、嚥下機能や呼吸機能の改善がみられた。
- 文化のなかで親しまれてきた寺院における実践が、高齢期の心身の健康に役立つことが期待できる。
○研究の意義
日本の座禅がルーツのひとつである「マインドフルネス」は、医学界で広く行われています。日本仏教では、坐禅と並び、読経もまた中核的な実践の一つです。これまでの研究では、読経を「聴く」ことが死別に関連するストレスを軽減する可能性が示唆されています。しかし「実際に唱える」ことの生理的・心理的効果については、定量的手法を用いた検討が十分になされていませんでした。
近年、寺ヨガや子ども食堂などの形態で社会貢献を志向する仏教寺院が現れています。先行研究では、寺院で行う介護者のための集いが地域包括ケア支援センターなどからも高く評価されていることが報告されています。このような視点に基づき、寺院で行われる伝統的実践である読経を、精神的ウェルビーイングおよび呼吸・嚥下関連機能の双方の向上を目的とした地域ベースの健康プログラムに組み込む可能性が示されたと言えます。

(2025年9月8日.地域と寺院がつながる読経プログラムhttps://chikouken.org/report/report_cat06/17444/)


