LINE登録で「薬剤師が知っておくべき情報まとめ」を配信中詳しくはこちら

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業No.10(2023年)【日本医療機能評価機構】

ニュースの要点

日本医療機能評価機構は10月26日、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2023年No10」を公表した。

  1. 秤量間違い:サワシリン細粒10%[調剤]
    • 本事例は、サワシリン細粒10%を後発医薬品のワイドシリン細粒20%へ規格を変更して調剤を行う際、秤量する量を間違えた事例。
      調製者は、薬剤の調製を行う前に、調剤指示書などを用いてレセプトコンピュータに入力された内容と処方箋の記載内容を照合する、薬剤の規格や秤量する量を処方箋と照合するなど、調剤に関する業務手順を遵守する必要がある。
    • レセプトコンピュータへの入力時に含量規格が異なる製剤に変更した場合は、入力者が調製者に薬剤の規格や秤量する量を変更したことを伝えるなどの手順を薬局内で取り決め、遵守することが重要である。
    • 調剤経験が浅い薬剤師に対して、入職時に薬局の調剤に関する業務手順について教育する体制を構築しておくことが有用である。
    • 処方された薬剤の規格変更を行う際は、処方箋に「規格変更」などの注意喚起の札を添付するなどの具体的な対策を講じることが望ましい。
  2. レスキュー薬の投与量:オキノーム散
    • 本事例は、患者に初めてオピオイド鎮痛薬が処方された際に、薬剤師がレスキュー薬として処方されたオキノーム散の1回量の妥当性を検討し、疑義照会を行った事例。
    • 通常、レスキュー薬として処方されるオピオイド鎮痛薬の1回量は、定時投与中のオピオイド鎮痛薬の1日量を基準に決められる。レスキュー薬が処方された際は、定時投与量をもとにレスキュー薬の1回量が妥当であるか検討を行うことが重要である。 
    • 薬剤師は、添付文書やインタビューフォーム、厚生労働省が公開している「医療用麻薬適正使用ガイダンス」などを活用し、日頃からオピオイド鎮痛薬に関する知識を深めておく必要がある。
  3. 患者の生活状況(自動車の運転):【般】オロパタジン塩酸塩錠5mg[疑義照会・処方医への情報提供]
    • 添付文書に自動車運転等の禁止等の記載がある薬剤が処方された際は、患者の生活状況について情報を入手し、自動車等の運転や危険を伴う作業への従事がないか確認を行ったうえで、処方された薬剤の適否について検討することが重要である。
    • 自動車の運転や高所作業への従事などに関する情報を得るために、新規患者アンケートの質問項目などを工夫しておくことが望ましい。また、得られた情報は薬局内で共有できるようにしておくことが重要である。

詳細は以下の資料をご確認下さい。

出典:日本医療機能評価機構ホームページ
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2023_10.pdf

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次