ニュースの要点
東京都健康長寿医療センターは5月21日、『「長寿のカギ」は、信頼し合える地域にあり!』大規模データから地域のソーシャル・キャピタルが高い地域に住む男性で死亡リスクが低いことを確認とする研究成果を発表した。
○研究のポイント
- 東京都足立区の65歳以上の地域在住高齢者75,338人を対象に、地域のソーシャル・キャピタルと5年後の死亡率との関連を検討した。
- 近隣凝集性(近隣者への信頼、地域への愛着や帰属意識)が高い地域に住む男性では、近隣凝集性が低い地域に住む男性と比べて死亡リスクが8~9%低いことが示された。
- この関連は、特に65~74歳の男性で顕著であり、死亡リスクが17~18%低いという結果だった。
- 男性は女性に比べ、社会とのつながりを持ちにくい傾向にありますが、住民同士が信頼し合える地域環境をつくることが、個人の努力だけに頼らない長寿へのアプローチとなる可能性が示された。
○研究の意義
一般的に、男性は女性に比べて社会的ネットワークやサポートが少ない傾向にあり、退職後には職場を中心としたつながりを失いやすいと考えられる。しかし、そうした男性に地域の集まりや活動に参加してもらおうとしても、簡単にはいかないことも少なくない。本研究は、男性一人ひとりに社会とのつながりを持ってもらうアプローチだけでなく、住んでいる地域の環境を整えること、すなわち地域のソーシャル・キャピタルを高めることで、男性の長寿につながる可能性を示した。これは、地域づくりやポピュレーションアプローチの重要性を示す貴重な結果といえる。
保健、福祉、まちづくりの現場では、地域のつながりを育むさまざまな取り組みが行われている。本研究の結果は、こうした取り組みが、特に男性の長寿にとって大きな意味を持つ可能性を示している。
個人への支援に加え、住民同士が信頼し合える地域環境を育む視点の大切さを示した公衆衛生学的意義の高い研究といえる。



