ニュースの要点
日本医療機能評価機構は8月25日に、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の「共有すべき事例2026年No.8」を公表した。
- 併用禁忌:カルブロック錠・クラリシッド錠[疑義照会・処方医への情報提供]
- 2026年3月に、アゼルニジピン含有製剤(カルブロックなど)とクラリスロマイシン含有製剤(クラリシッドなど)は併用禁忌となった。
- 添付文書は市販後の安全性情報の集積に応じて継続的に改訂されるため、患者がこれまで併用していた薬剤が添付文書の改訂により併用禁忌となることがある。継続処方であっても、常に最新の情報をもとに処方監査を行う必要がある。
- 新たに追加された併用禁忌が電子カルテやレセプトコンピュータなどの相互作用チェック機能へ反映されるまでには一定の時間を要する場合があり、システムに依存した監査だけでは見逃される可能性がある。人的な確認が行えるように、安全性情報が更新された際には薬局内へ情報を周知しておくことが重要である。
- 添付文書の改訂に伴い禁忌や用法用量、相互作用などが変更された際には、当該薬剤を継続している患者を 速やかに抽出し、薬物治療の内容を変更する必要がないか事前に検討しておくとよい。変更が必要と考えられる場合には、医療機関への情報提供の内容や方法、患者への説明時の留意点などについて対応方針を薬局内で整理し、職員へ共有しておくことが重要である
- 投与量:コルヒチン錠[疑義照会・処方医への情報提供]
- コルヒチン錠(販売名:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」)は、1日量1.5mgを超える高用量を投与したことにより、重篤な中毒症状(胃腸障害、血液障害、腎障害、肝障害等)が発現し、死亡に至った症例が製薬企業に報告されている。
- このような現状を踏まえ、2026年6月にコルヒチン錠0.5mg「タカタ」の添付文書が改訂され、「痛風発作の緩解」に使用する際の用法及び用量が「1日3~4mgを6~8回に分割経口投与」から「1回0.5~1.0mgを1日1回又は2回経口投与 1日の総投与量は1.5mgを超えないこと」へ変更された。
- 添付文書改訂などの重要な情報は、電子薬歴への注意喚起表示の登録、朝礼や勉強会での周知などにより、薬局内で速やかに情報共有を行い、薬剤師が最新の情報を用いて処方監査を行える体制を整えることが重要である
- 不適切な販売の回避(授乳婦):、大地の漢方便秘薬[一般用医薬品等]
- 授乳中の大黄(ダイオウ)の服用は、主成分であるアントラキノン誘導体が母乳に移行して乳児が下痢を起こす可能性があるため、注意が必要である。
- 大黄は、便秘薬だけでなく、むくみ改善や体質改善のための漢方薬にも含まれていることがある。大黄を含む漢方薬の中には、防風通聖散、大柴胡湯、桃核承気湯のように、薬剤名からは含有の有無がわからない製剤もあるため、販売時は構成生薬を確認することが重要である。
- 漢方薬を販売する際に注意を要する生薬(大黄、甘草、麻黄、附子など)を整理して薬局内で定期的に教育・情報共有を行い、薬局スタッフが構成生薬に基づいて販売の適否を判断できるようにしておく必要がある。
- 本事例のように、漢方薬は効果が穏やかで副作用が少なく、誰でも使用できると認識されている場合がある。一般用医薬品の適正使用を支援するために、薬剤師や登録販売者は、漢方薬であっても成分によっては服用に注意が必要な場合があることを購入希望者に説明し、理解を得ることが重要である。
- 一般用医薬品の販売時には、妊娠・授乳の有無、年齢、基礎疾患、服用中の薬剤などを確認するチェックリストを活用し、必要な情報を漏れなく確認できる体制を整備することが望ましい。



(https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/sharing_case_2026_08.pdf)


